【「私は憲法学の権威ではございませんし、<br />学生だったこともございません!」<br />安倍晋三首相は成蹊大学の学生から<br />どう思われているのか?】 | BEST T!MESコラム

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「私は憲法学の権威ではございませんし、
学生だったこともございません!」
安倍晋三首相は成蹊大学の学生から
どう思われているのか?

作家・哲学者の適菜収が「安倍政権の無能と欺瞞」を討つ批判の毒矢

わが国の総理大臣、安倍晋三。

「衆院憲法審査会は12月1日、幹事懇談会を開き、自民党が8日に「日本国憲法の基本原理」などをテーマに実質的議論の実施を提案したが、民進党が14日までの会期延長に反対していたことなどから拒否し、開催は見送られた。

 衆院憲法審は毎週木曜が開催の定例日で、会期が再延長されない限り今国会での実質的議論は11月に行った2回で打ち切りとなる公算が大きい。」(産経新聞より)

 まあ、それはそうだろうけれど、そもそも憲法や憲法学について理解していない安倍晋三首相がどうしても推し進めたい案件であることは変わらない。

 それにしても、安倍首相の過去の発言を紐解けば、やはり安倍晋三政権での憲法改正や自民党草案には虫唾が走るほど嫌悪感が広がるのは当然だろう。

 新刊著書『安倍でもわかる政治思想入門』で話題の作家適菜収氏が「憲法学について」の安倍発言を取り上げる。

※以下、著書から本文一部引用します

 

憲法学について 二〇一三年三月二九日 安倍晋三の国会答弁

「私は憲法学の権威でもございませんし、

(成蹊大学の憲法学の)学生だったことも

ございませんので、

存じ上げておりません。」

 

 二〇一三年三月二九日、民主党の小西洋之が「安倍総理、芦部信喜さんという憲法学者をご存じですか」と質問すると、安倍は「存じ上げておりません」と答えた。

 もちろん芦部(一九二三~九九年)は、有名な憲法学者である。

 憲法学の第一人者・宮沢俊義(一八九九~一九七六年)の弟子で、東京大学教授、日本公法学会理事長を務めた。一九九三年には文化功労者に選ばれている。

 安倍の発言は、母校である成蹊大学法学部政治学科の学生をもバカにしているが、そもそも憲法を「前文から全てを含めて変えたい」(二〇一六年七月一〇日)という安倍が、「学校で習わなかった」と弁解するところに、腰が抜ける。

 安倍が在学中、成蹊大学で政治思想史を教えていた加藤節教授は言う(『フライデー』二〇一六年五月二七日号)。

「安倍さんを表現するとき、私は、二つの『ムチ』に集約できると思うのです。一つはignorant の『無知』、もう一つはshameless の『無恥』です。『無知』についていうと、彼はまず歴史を知らない。戦後の日本が築いてきた歴史を踏まえていないんです。歴史はよく知らないから、そんなものは無視しても良いと考えているのではないでしょうか?」

「立憲主義とは、最高規範が権力を縛る、というのが基本的な考え方です。いまでいう最高規範は憲法ですよね。憲法が政策決定に影響を与えるのは当然のことなのです。しかし、安倍首相は自分の考えに同意する人物を登用し、反対する人はクビにしてしまう。つまり、安倍政権のやり方というのは、『法による支配』ではなく『人』による支配なんです」

「法による支配」は「法治主義」とは違う。「法治主義」は議会が制定した法律により統治が行われるべきという原理だが、「法の支配」は統治する側にも及ぶ。

 安倍が理解していないのはそこの部分だろう。

次のページ成蹊大学の学生は、就職活動で母校の名前を出すと、「ああ、安倍晋三のね」と冷笑されるというのだが…

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  • 2016.11.16