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新型コロナウイルス「感染と若者」の関係はあるのか?【岩田健太郎教授・感染症から命を守る講義⑦】

命を守る講義⑦「新型コロナウイルスの真実」

 


 感染症から命を守るための原理原則は、変わらない。この原則を体に染み込ませる決定版。感染症専門医の第一人者・岩田健太郎神戸大学病院感染症教授の最新刊『新型コロナウイルスの真実』をもとに現在の感染者が急増する緊急事態に対し、私たちが「今、できる対策」を連続講義いただいた。「新型コロナウイルス感染症」から自分と家族、人々の命を守るために、今、私たちは何をすべきか。第7回目は、新型コロナウイルスの感染と若者の関係について学びます。


若者がウイルスを拡げているのか?

今回の新型コロナウイルスでは、高齢になるにつれて徐々に罹りやすく、重症化しやすく、亡くなりやすくなる傾向が分かってます。
ただし、ここでいう「高齢」とは、中国などのデータからいえば40代後半以降だと考えられます。ぼくは今48歳なので、その中に入っていますが、一般的な感覚からすると、高齢者っていうほどの高齢者ではないですね。だから、結構いろんな人に重症化の可能性があるわけです。
とはいえ、日本では亡くなるほど重症化するのはいわゆる高齢者、80
代から90代の人が多いです。
逆に子供の患者さんは非常に少ないし、罹っても重症化しないで、たいていは治ってしまうといわれています。2002年のSARSも同様で、子供は罹りにくい、罹っても重症化しないといわれてました。その理由は今のところ分かっていません。
「じつは子供も結構罹っているけれど、症状が出ないので気づいてないだけだ」という意見もありますが、このへんはいまだ謎なんです。
だから、小・中・高等学校の一斉休校に意味があるのか、それともないのかには諸説あり、決着はついていません。後々検証する必要がありますし、ぼく自身も検証するつもりでいます。
 専門家会議は「若者がウイルスを拡げている」と言っていますが、必ずしもそのようなデータはありません。
彼らが言うには、感染者が多く確認されている北海道のデータを見ると若者が拡げているかもしれないという話ですが、30代、40代、50代あるいは60代まで、幅広い年代の人が容易にウイルスを拡げますから、「若者が伝播の中心」とはいえないでしょう。
「ライブハウスで感染する」ともよくいわれますけど、今日日、ライブハウスに行ってるから若者かというと、そんなことはないでしょう?

ライブハウスでの感染と「若者」の関係についても冷静に見れば、疑わしい

40代、50代の人も結構行きますよ。
なので、ウイルスを拡げているのは誰かをめぐって世代間対立みたいな話になるのは、ちょっと違うかなと思っています。

「新型コロナウイルスの真実⑧」へつづく)

 


【注】本書『新型コロナウイルスの真実』は現在、発売即重版となりましたが、書店の休業などで「お手元に届かない」との多くの皆さまからお問い合わせが入っております。最新刊でありますが、本書の第1章と第2章を「全文再編」連載という形で、皆様にお届けいたします。著者・岩田健太郎先生のご厚意により、最適な感染症対策への一助となるように専門家として何度もお読みいただけるようにとご配慮いただきました。皆様やご家族、多くの方々の安全を祈念申し上げます。なお全国の書店で配本されていますが、くれぐれも「外出」の際は感染経路と感染の知識を踏まえ、ご行動されることを衷心よりお願い申し上げます。


 

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岩田健太郎医師の最新著書『新型コロナウイルス』は現在、ネット書店で手にいれづらくなっております。こちらで購入が可能です

【URL】https://bestsellers.official.ec/items/28385984

 

発売即重版3刷
『新型コロナウイルスの真実』
岩田健太郎医師・著

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岩田 健太郎

いわた けんたろう

1971年、島根県生まれ。神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授。神戸大学都市安全研究センター教授。NYで炭疽菌テロ、北京でSARS流行時の臨床を経験。日本では亀田総合病院(千葉県)で、感染症内科部長、同総合診療・感染症科部長を歴任。著書に『予防接種は「効く」のか?』『1秒もムダに生きない』(ともに光文社新書)、『「患者様」が医療を壊す』(新潮選書)、『主体性は数えられるか』(筑摩選書)など多数。


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