◼️2012 MERS(マーズ)コロナウイルス

 その後、2012年に、今度は中東のラクダから感染するコロナウイルスが見つかりました。これがMERS(マーズ)コロナウイルス」です。MERSはMiddle East Respiratory Syndrome(中東呼吸器症候群)の略で、Middle East とは中東のことですね。

MERSコロナウイルスは中東のラクダから感染した

 MERSコロナウイルスもやっぱり肺炎を起こします。これはSARSに輪をかけて致死率が高く、3割ぐらいの方が亡くなるという非常に怖い感染症です。
MERSコロナウイルスでは、特に韓国に移動した感染者が、いくつも病院を受診したことで病院の中で感染症が拡がりました(2015年など)。韓国ではたくさんの患者さんが出て、治療薬とかワクチンもないのですが、これも感染対策を一生懸命やったことで、程なく騒ぎは収まりました。
ただし、SARSと違ってMERSの場合は、まだ中東にはウイルスがいるんです。ですから、中東に行ったときには、ラクダとかに触らないようにしましょう、みたいな注意が今でもされるのはそのためです。MERSは現在もある問題なんですね。

 (「新型コロナウイルスの真実④」へつづく)

  

【注】本書『新型コロナウイルスの真実』は現在、発売即重版となりましたが、書店の休業などで「お手元に届かない」との多くの皆さまからお問い合わせが入っております。最新刊でありますが、本書の第1章と第2章を「全文再編」連載という形で、皆様にお届けいたします。著者・岩田健太郎先生のご厚意により、最適な感染症対策への一助となるように専門家として何度もお読みいただけるようにとご配慮いただきました。皆様やご家族、多くの方々の安全を祈念申し上げます。なお全国の書店で配本されていますが、くれぐれも「外出」の際は感染経路と感染の知識を踏まえ、ご行動されることを衷心よりお願い申し上げます。