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習近平は毛沢東になりたい!
そもそも習近平はなぜ中国の
指導者の地位に就いたのか?

中国専門ジャーナリスト福島香織が語る「チャイナリスク2017 衝撃の真実」

 太子党は派閥というより、血統集団の総称で、太子党の中にも上海閥や団派や陝西閥がある。このほか利権ごとに石油閥、電信閥、水利閥、レアアース閥といった派閥があり、また山西閥、四川閥、江蘇閥、遼寧閥といった地縁の派閥もある。

 一九四二年生まれの周永康は、いわゆる太子党、紅二代ではなく、もとは貧農出身の石油エンジニア。努力型の秀才であり、中国近代化に伴って石油事業が国家重点産業と重視される中で順調に出世し、国有企業の中国石油天然気集団副総裁に上り詰めたあと、一九九八年の江沢民政権・朱鎔基[一九二八~/第五代国務院総理などを歴任。大胆な経済改革を試みた]内閣のときに国土資源部長に転身、四川省党委書記を経て中央指導部への出世街道をまい進する。彼の出世は江沢民に抜擢された形であり、上海閥の一員である。また石油企業出身なので石油閥であり四川閥の中心であった。

周永康

 

 

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