【なぜ〝健康常識〟は<br />次から次へと変わるのか?】 | BEST T!MESコラム

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なぜ〝健康常識〟は
次から次へと変わるのか?

健康常識のナゾに迫る!

昨日まで「良い」とされていたことが、

簡単に覆されるのが健康常識。

医学は日進月歩とは言うけれど、

どうしてこうも変わるのか、その謎を探ってみた。

 

ほんのわずかな効果を

拡大解釈している

 次々と現れては消えていく健康法。伝えられる理屈はもっともらしいが、鵜呑みにしても良いものだろうか。

「健康に抜け道はなく、王道しかありません。いくつも方法があるように感じますが、実は基本は同じです」。

 こう語るのは秋津医院院長で、間違った健康常識をバッサリと斬った著書もある秋津壽男さん。

「マスコミの責任もありますね。例えば体脂肪を減らすのであれば、基本は摂取カロリーを減らして運動を多くするだけです。でも、目新しさがない。そこであまり辛くなくて効果が上がる、ちょっとしたティップスを拡大して〝楽ですよ〟と伝えているんです」。

 つまり小手先の変化、切り口を変えて、あたかも新たな方法のように思わせているのだと秋津さんは続ける。

「糖質制限を提唱する人は、炭水化物さえ食べなければ、どんなに肉や脂を摂っても良いから楽ですよと言います。でも、肉や脂質を以前より多く食べれば、当然太ります。基本ルールが劇的に変わったわけではないんです」。

 賢く実践している人は、タンパク質や脂質も常識の範囲内で、炭水化物も過剰にならない量を食べている。

「ただ、脂質の常識は最近変化しました。体に良い脂と良くない脂、ものすごく良い脂にものすごく良くない脂と分類がされるようになりました」。

 昔は〝脂質は全て悪者〟のように言われていたが、食べても良い脂と摂取量を増やしてはいけない脂が区別されるようになったことは確かだ。

 脂質は〝飽和脂肪酸〟と〝不飽和脂肪酸〟に区別され、さらに不飽和脂肪酸は構造の違いから〝オメガ3〟と〝オメガ6〟、〝オメガ9〟に分類される。このうちオメガ3とオメガ6は、体内で合成できないので食物から摂取する必要がある。そしてどれもが互いに影響し合って働くので、バランス良く摂る必要があるのだ。

「ただし何度も熱せられて酸化した油や、植物油に水素を添加した人工の不飽和脂肪酸である〝トランス脂肪酸〟は摂らないようにしたほうがいい」。

 トランス脂肪酸は食品添加物として認められていた。しかし悪玉コレステロールを増やして善玉を減らし、動脈硬化などの心疾患リスクを高めると、評価が一変した代表的な食品だ。

 

 

 

「最近もう一つ変わったのは、コレステロールに関してです。これは体内で合成されるものが8割で、口から入るものが2割。例えばコレステロールの薬を飲んでいる人は、卵などは食べてはダメというのが常識でしたが、昨年から食物に含まれるものは無視してもよいとなりました」。

 しかし巷に溢れる健康情報、どうやって判断をすればいいのだろうか。

「1年間は寝かして様子を見ることです。1年後に残っていれば、みんなが効果を実感していると言えます。次にかかりつけ医などに、軽い風邪や体調不良のような時に相談してみることですね。私も相談を受けた時にはちゃんと答えていますよ」。

 1年間様子を見るのは、他人に臨床検査をしてもらっているようなもの。真偽のほどを確かめるにはいい方法だ。

「そして、自治体が無料で実施してくれるようなものでいいですから、1年に一度は健康診断を受けるようにして、結果の推移を見ることです。体の状態を観察して自分で知ることが、健康を維持するために大切です」。

 そして、体調に合わせた健康法を実践してみることが、間違った情報に踊らされることを防いでくれるのだ。

取材・文/松尾直俊

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秋津 壽男

あきつ としお

秋津医院

院長

1954年、和歌山生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局。その後、東京労災病院等の勤務を経て1998年に秋津医院開業。著作、テレビ出演多数。



 


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