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頭に「ひしゃく」!? 斬新すぎる武将がいた!

名将甲冑大全 第8回

紺糸威伊予札黒皺革包具足 細川家祐筆頭高木家所用 伊澤家蔵

細川家の祐筆頭(ゆうひつがしら)だった高木家に伝来した「茶道鎧由来」の越中(えっちゅう)具足である。具足に添えられている由来書には、
「茶道鎧由来細川家御祐筆頭 高木家伝来之鎧 右儀古流に伝えられし 唯一御鎧にして一期一会の 茶会を戦陣に 行なひしは有名也」
とあり、細川家中の高木家では戦陣で、茶会を行っていたことがうかがえよう。

主君である細川忠興(ただおき)は武将としてだけでなく、甲冑の考察、茶人としても名高い。越中具足の名は、細川越中守忠興が自身の幾度かの合戦体験のもと考案したことに由来する。実戦向きの甲冑で、忠興自らも戦場で用いている。細川家では当主以下藩士に到るまで、この形式を用いたため、この具足を「御家流」と呼んでいる。

形式としては袖がなくシンプルである。本品の兜(かぶと)は鉄地黒漆塗越中頭形鉢(てつじくろうるしぬりえっちゅうずなりばち)で、鉄地板物五枚を皺革包み(しぼかわつつみ)として黒漆塗にしている。裾板の縁に越中具足の特長である革覆輪(かわふくりん)を施し、紺糸で毛引威し(けびきおどし)にする。眉庇上(まびさしうえ)には一本角元(つのもと)を打ち、柄杓(ひしゃく)の前立(まえたて)を添える。面頬(めんぽお)は越中頬である。銅は鉄小札(てつこざね)を皺革包みにして黒漆塗にした縫延胴(ぬいのべどう)で、前立挙三段・後四段で長側は五段である。

草摺(くさずり)は黒漆塗革製七間四段で、裾板を紺のビロードで包みアクセントとし、威し糸は紺糸で素懸(すがけ)威しにしている。袖は用いず、篠籠手(しのごて)・篠佩楯(しのはいだて)・篠臑当(しのすねあて)の三具が付属する。茶道鎧由来の遺品は珍しく現品と同様の具足が、中野宝寺蔵として一領現存しているのみである。

 

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伊澤 昭二

いざわ しょうじ

いざわ しょうじ/歴史・甲冑研究家。明珍家24代明珍宗恭氏に師事。100種を超える鎧や兜、刀剣、絵画などを所蔵する。収集した貴重な品々は博物館やイベントなどで広く世間に紹介。著書に、甲冑ファンの間では有名な『図説・戦国甲冑集』などがある。小山・評定ふるさと大使。


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