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眠れなかったACL敗退。遠藤航が手にしたもの

チームの悲願であったアジアチャンピオン奪回はベスト16でついえた。自ら失点のきっかけを作ってしまった遠藤の心のうちとは。

ACL、日本代表選出、リーグ戦……タイトなスケジュールで戦う浦和レッズ・遠藤航。そのなかで整理されていった思考とは。

◆痛恨のミスとACL敗退、眠れない夜

 5月、6月とタイトな日程での試合が続いています。
 日々、高いモチベーションを持って取り組めていますが、必ずしも結果につながるわけではありません。特にアジア制覇を目標にしていたACLは、とても悔しい思いをしました。
 今回はそんななかで少しずつまとまってきたことを、自分なりに分析して書いてみたいと思います。

 ACLベスト8をかけたFCソウル戦は、ホームで1対0の勝利を収めたことで、アウェイの一戦に大きなアドバンテージを持って臨める状況でした。
 迎えた5月25日のセカンドレグ。
 ご存じの方も多いと思いますが、試合は劇的なものになりました。
 前半に僕の横パスが相手にカットされたことがきっかけでFCソウルに先制点を許してしまい、そのまま取り返すことができず0対1で90分が終了。ファーストレグ(ホーム)と合わせて1対1の同点となり、延長戦に突入します。30分間で4ゴールが飛び交うシーソーゲームとなった延長戦でしたが、ここでも2試合の合計が3対3となりPK戦へ……。結局6-7で敗退をしてしまいました。

 アジア制覇への道がついえたこと、3失点もしてしまったこと、そしてなにより僕のミスで先制点を奪われてしまったこと……ディフェンスとして責任を感じましたし、今までにない悔しさがありました。

 同じような思いを抱いていたのは僕だけではなく、最後のPKを外してしまった(駒井)善成も同じでした。善成も相当落ち込んでおり、試合後はふたりでずっと一緒にいました。バスでは隣に。食事は目の前に。善成は僕のホテルの部屋にまでやってきたので25時過ぎくらいまで同じ空間にいたことになります。
 会話はほとんどなく、話したことといえば、善成が食事すら喉を通らないというような感じだったので「ご飯は食べたほうがいいよ」と言ったくらい。善成が「オレ、今までなにもチームに貢献できていないのに、PKを志願して外して負けてしまった……」と答えたことを覚えています。

 気持ちはよくわかりました。僕も自分のミスを悔やみ、(もともと試合後は眠れないタイプなのですが)眠りにつけたのは朝の5時前だったくらいでしたから。

 
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遠藤 航

えんどう わたる

浦和レッズ

1993年2月9日生まれ。神奈川県横浜市出身。

2008年に湘南ベルマーレユースへ加入すると、2010年には2種登録選手としてJ1で6試合に出場し1得点。翌年に、正式にトップチームへ昇格、主にセンターバックとして活躍する。各年代の日本代表にも招集され、リオ五輪を目指すU-23代表では主将を務め、リオ五輪代表出場権を勝ち取った。2016年シーズンより浦和レッズに移籍。



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