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岸田はなぜ聞く耳を持たないのか。「事実上の増税」インボイス反対集会に集まった人たちの声

 

◾️タレント中田敦彦のデマゴーグに郷原信郎が激怒

 

 弁護士の郷原信郎氏もインボイス導入反対を訴えてマイクを握った。

 「私が言いたいことは一つです。消費税は預り金だという大嘘をついたままインボイスを導入するというのを絶対にやめて欲しい」

 このように述べ、最近の著書でも同様のことを記したという。さらにお笑いタレントの中田敦彦がYouTubeで「インボイス制度は免税事業者が預かっている消費税を納めないずるいことを止めさせる制度」と述べた動画に対して、郷原が反論をしたところ中田は該当動画を削除したというエピソードを紹介し、世間の消費税の認識がおかしいとも訴えた。

 ミュージシャンの和(元・橘いずみ)さんも、「日本は中小企業が支えている。そして音楽、映画、声優たち、みなさんの心に潤いを与えるような人たちが仕事を辞めなければならないのは由々しき事態だと思っている。政治などを勉強したわけではないので、声を上げるなど大それたことではないかと思っていたが、思ったことを言うのは大事だ」と語り、自ら作詞作曲した歌で会場を盛り上げた。

 その後は、会場に来られなかった声優や俳優、作家からのメッセージが読み上げられ、作家の鈴木傾城さん、ラッパーのダースレイダーさん、スタンダップコメディアンの清水宏さんもマイクを握った。

 インボイスをめぐっては、説明もないまま「インボイス登録しなければ仕事は回せない」「登録しなければ10月から10%減額する」「契約を更新しない」といった話がなされており、泣き寝入りを強いられているのが現状といえる。物流業界では、2024年問題による人手不足が懸念されており、インボイス導入でさらなる打撃を受けると予想されている。

 税の専門家である税理士からは「財務省はインボイス制度導入で2480億円の増収を見込んでいるが、これは一者当り15万4000円の増税を見込んだものであり、この金額を500万といわれる免税事業者数で換算すると7700億円になる。政府がインボイス登録を呼びかけたチラシを1300万枚配布したことを鑑みると、2兆円規模の大増税になる」と指摘をした。

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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