「自分の子育ては間違っていないかどうか」を気にしてばかりいる親たち【西岡正樹】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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「自分の子育ては間違っていないかどうか」を気にしてばかりいる親たち【西岡正樹】

「子どもを育てる」を再考する

写真:PIXTA

 

◾️「子育て」を「うまくいった、いかなかった」で判断できるのか

 親が「どのように」子どもを育てたいか。学校が「どのように」子どもを学ばせるのか。また、社会が子どもを「どのように」受け止めているのかで、子どもの育ちは変わってくるものだ。それだけではなく、親や学校が「どのように」の先に、子どもの「何を」見ているかで、子どもの育ちは変わってくる。

 確かにそうではあるのだが、私たちが何よりも考えなくてはならないのは、子どもたちは意志を持ち、自分の思いによって行動するということなのだ。(親の思うようにならなくても)

 45年間、私が多くの親を見てきて思うことがある。それは、「自分の子育てがうまくいったのかどうか」を気にしている親が多くいた。しかし、自分の教育がうまくいったかどうかなんて、本当のところ、子どもが死ぬまで分からないのではないだろうか。

 また、子どもの育ちを親が一身に背負い、成人になって起こした犯罪や過ちまでも親の責任のように感じてしまう傾向がある。それは、そう考えてしまう親そのものよりも、そう親に思わせてしまう社会の有り様に、課題があるように思えてならない。

 日本人は「子育て」を「うまくいった、いかなかった」で判断してしまいがちだ。その根底に、子どもを一人の主権者(※家庭、団体などで、その最終的なあり方を決定する権力を持つ者)だと見ていないし、子どもは親の考えで動くものだという思いがある。うまくいかなかった時に親は自分の責任のように感じてしまうが、子育てをする環境や条件がこのように多様な社会の中では、「子育て」がそんな杓子定規に測れるものではない。強い思いを持って子育てをしたとしても、糸井さんの話のように、成長した子どもは周りの様々な環境や情報に自分を合わせ、さらに自分の意志で自分の道を切り開いていくものなのだから。

 

  私の弟夫婦の子育てを思い出しても、糸井さんの話と繋がるところがある。それはもう30年前の話だが、そこにも今の時代にも繋がる「子育て」の核があると考えている。

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西岡正樹

にしおか まさき

小学校教師

1976年立教大学卒、1977年玉川大学通信教育過程修了。1977年より2001年3月まで24年間、茅ヶ崎市内の小学校に教諭として勤務。退職後、2001年から世界バイク旅を始める。現在まで、世界65カ国約16万km走破。また、2022年3月まで国内滞在時、臨時教員として茅ヶ崎市内公立小学校に勤務する。
「旅を終えるといつも感じることは、自分がいかに逞しくないか、ということ。そして、いかに日常が大切か、ということだ。旅は教師としての自分も成長させていることを、実践を通して感じている」。
著書に『世界は僕の教室』(ノベル倶楽部)がある。

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