大石あきこが目指す「普段の会話で政治のことが話せるようにする社会」を実現するための方法【篁五郎】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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大石あきこが目指す「普段の会話で政治のことが話せるようにする社会」を実現するための方法【篁五郎】

■れいわの声を大きくするために必要なこと

 

 我々は衆議院3議席、参議院2議席しかない弱小政党です。主張を通すために立憲民主党や自民党にも超党派でお願いに行くことがあるかもしれません。多数派工作とか政治でよくあることもオプションとして否定はしませんけど、でもね、自分がこれまで社会活動をしてきた経験から、上層部に何を言ってもあかんというのが私の中に染みついているんです。

 それは社会運動全般がそうで、何が変えるためには現場の人の声を集めるしかないんですよ。例えば、野党共闘もそうだったじゃないですか。上層部からしたら自分の党の利益になることしか考えたくない。そうしたらヒエラルキーで数を持っているのが、立憲民主党、共産党、れいわ、社民の順だから「お前等が我慢せい」となってしまうし、選挙区調整もそうなった。この間の選挙で共産党もれいわも小選挙区から僅かしか出ていません。こっちがいくら内容で正しいことを言ってもダメなんです。それが今回結果で出たと思います。

 だからその人達が寄って立つ有権者やグループが考え方を変えて「お前等ちゃんとやれよ」と「立憲民主党ちゃんとやれ」という流れを作らないと、上層にいる人達を動かしようがないんじゃないかな。だから野党共闘がれいわとして上手くいくとすれば、れいわの支持が国民の末端にまで広がることが重要です。そうなれば「ここはれいわの統一候補にしよう」ということが、平場で決められるようになったら食い込んでいけると思います。

 今の時点で他の党の上層にいる人達に説得へ言っても、自分の足元がスカスカなら交渉にならないですよね? 「お前等数少ないから黙っておけ」で終わりですよ。立憲さんや共産党さんもそうですし、それは与党にも同じ事が言えます。れいわの言うことを無視し続けたら世論持って行かれるという状況を作ることのみが、れいわの力を強くすること思います。どうやったら世論を持っていくのかというと、ちゃんと地域に根差していくことです。他党との連携戦略があるとしたら、先に地元や地域に根を張ることだと思います。

 これから地方議員も生んでいかないといけないと思いますし、山本代表もそういう風に言っています。でも、住民運動とか市民運動とれいわが繋がっていればもしかしたら地方議員出さなくてもいいかもしれません。つまり、より細かくみんなの意見を吸い上げる人が国会議員以外にもいて欲しいわけです。その意味では地方議員というのは有効だと思います。

 私は政治家というのは特別だと思っていません。3年前に大阪府庁辞めたのは大阪都構想とカジノを止めたいからです。止めるために、議員になるのは意味が大きいと思って立候補しました。

 だから地方議員を育てて行く、一緒に作っていくのは大事だと思います。ただね、私、地方が国政よりも通りやすいなんて思ってません。市議選で何十人も出せるならまだしも、大阪市議会議員選挙だとほとんどが小選挙区と中選挙区の間の人数なんですね。私が無所属で出た大阪府議選なんか定数が2人なので、立憲民主党はどうせ通らないから元々出さない。小選挙区と同じ状況になっています。

 私は比例で通りましたけど地方選はそんなもんありません。だから簡単に地方議員が生まれるなんて思ってないんですよ。必要だから、足元を固めたいから出すんです。

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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