複利と長期投資の破壊力【令和の億り人が静かに教える】若者にこそ知ってほしい「資本主義」のしくみ④ |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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複利と長期投資の破壊力【令和の億り人が静かに教える】若者にこそ知ってほしい「資本主義」のしくみ④


 前回までの連載で、これからの格差社会を生き抜くためには、自らが投資家となって資産形成に努めることが重要であることを説明した。自らが起業しても良いし、金融商品への投資でも良い。事業も投資も、その核心は「複利と長期投資」にある。「そんなこと知っている!」と言わずに今回の文章を読んでもらいたい。投資家にせよ、経営者にせよ、その本当の意味を正しく理解している人があまりにも少ないのだ。


◆アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだもの

 現代物理学の父と呼ばれる天才物理学者アインシュタイン。彼が「人類最大の発明」と呼んだものが何か、皆さんご存じでしょうか?

 答えは「複利」複利とは、銀行預金等をしたときに毎年の利息も元本に加えて、その大きくなった元本に更に大きな利息を生み出させるという方法です。

 対義語は「単利」。こちらは毎年の利息は他に移して、最初の元本だけに利息を生み出させる方法です。

 例えば、あなたが100万円(元本)持っていたとして、それを5%で銀行に預金するとします。単利の場合は、1年目も2年目も5年目も、毎年の利息は5万円。
それに対して、複利の場合、1年目の金利は5万円、2年目は最初の元本100万円に、1年目の利息5万円が加えられて元本が105万円になり、そこに5%の金利が生み出されますので5万2,500円の利息が発生します。5年後には6万775円、10年後には7万7,566円、30年後には20万5,607円へと毎年の利息は、雪だるま式にぐるんぐるんと増えていきます。

 日本のように超低金利時代が続くと、単利と複利の差もつきにくいのですが、複利の力は利率が大きいほど、そして期間が長いほど、強力になります。

 例えば先の例と同様に、今度は元本100万円に対して、10%の金利がつく場合を考えてみましょう。単利だとあなたの資産は10年後に200万円、30年後に400万円になります。
複利の場合はどうでしょうか?
あなたの資産は10年後に259万円、30年にはなんと1,745万円にも増えています。30年の場合、あなたの資産は単利では4倍にしかなりませんが、複利の場合、17倍以上に増えるわけです。(【図表】参照)

  これが複利と長期投資の力であり、この力こそあなたの財産を増やす重要なテコなのだということをまず皆さんに理解していただきたいと思います。

◆「ドル建て社債」という選択肢

 「複利と長期投資の力」はわかったけど、そもそも、利率が5%とか10%とかの設定には無理があるのでは? と思われる方も多いと思います。確かに日本国内だけを見ていると皆さんがそう思われるのもやむを得ないと思います。

 皆さんは、「社債」というものをご存じですか? これは民間企業が、銀行を通さずに自分たちで投資家から直接借金をする方法です。私の場合、全資産の半分以上をこの社債で運用しています。社債は銀行預金よりはリスクが高いのですが、その会社が倒産しない限りは元本と利息が返ってきますので、日々大きく価格が変動する株式に比べれば遥かに安全な投資です。
例えば皆さんがよく知っているソフトバンクグループ。ソフトバンクグループのHP 【注釈(*1)参照】によれば、円による社債の場合で1~2%、米ドルの場合5~5.5%程度で社債を発行していることがわかります。円社債の利回りは非常に低いわけですが、ドル社債であればソフトバンクに限らず、世界の著名な企業が3~8%程度で社債を発行しているのです。円にこだわらなければ(私は若者にとっては、円にこだわるほうがリスクは高いと考えます)、社債というリスクが限定された投資でも5%の利回りは十分可能なのです。もちろん、高利回りの社債は、その企業が倒産するリスクも高いわけですが、おそらく皆さんが現在務めている会社が倒産してしまう可能性よりは、多くの場合少ないと思われます。円にこだわるのであれば、日本国内のマンションやアパート等の不動産投資という方法もあります。こちらも3~8%程度の利回りは期待できます。

【注釈】(*1)「ソフトバンクグループ」ホームページhttps://group.softbank/corp/irinfo/stock/bond/

◆バフェットの遺言

 皆さんはウォーレン・バフェットをご存じでしょうか? 世界最大の投資会社「バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway Inc.)」を一代で築き上げた人物で、世界長者番付でもベスト3の常連となっています。(最新2019年度版では、「アマゾン」創業者のジェフ・ベソス、「マイクロソフト」の創業者ビル・ゲイツに続く第3位)。彼は自らの遺書で、遺産を管理する遺産管財人に対して、運用方法を以下のように指示しています。

 “10%は短期国債に、そして90%は低コストのS&P500のインデックスファンドに。”

「S&P500のインデックスファンド」とは、日経平均連動の投資信託のアメリカ版と理解して下さい。彼は “この(遺言の)方針による長期投資は、高額の専門家を雇っているほとんどの年金基金や機関投資家、個人投資家の運用結果に勝る”と言っています。では、S&P500のインデックスファンドはどの程度の利回りが期待できるのでしょうか?
バークシャー・ハサウェイ社のHP 【注釈(*2)参照】で公開されている同社の毎年のレポート「バークシャー・ハサウェイ社の株主の皆様へ」では、冒頭で、同社を創業した1965年以降の毎年の同社とS&P500の利回り(配当込み)が記されています。それによれば、1965年から昨年2019年までの過去55年間で、S&P500の一年間の平均利回りは何と11.5%にも達します。もちろん株式相場に連動しているわけですから、30%以上上昇する年もあれば、30%以上下落する年もあり変動は激しい。しかし、例えば15年間の長期投資をすると考えた場合、1965年に始めた場合7.1%(1965~1979年)、以下1975年開始の場合は17.3%、1985年の場合は19.6%、1995年の場合は10.4%、2005年の場合は10.5%と、始める時期を問わず安定して高い平均利回りが実現されています。おそらく今後もこの傾向は変わりません。

 アメリカはまだまだ若く、エネルギーに溢れた覇権国です。もし今皆さんが100万円分のS&P500連動の投資信託を買って30年寝かせておけば、平均利回りを10%として30年後1,745万円の資産を手に入れることが出来ます。
これであなたの老後の「2,000万円問題」は解決です。もし毎月5万円ずつ年間60万ずつ積立投資をしていけば、30年後、9,870万円の資産を手に入れることができます。あなたも毎年60万円の積立だけで、億万長者になれるのです。

 【注釈】(*2) バークシャー・ハサウェイ社のHP ​https://www.berkshirehathaway.com/letters/letters.html

 

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鈴木 烈

すずき れつ

1973年生まれ、47歳。早稲田大学法学部卒業。八千代投資株式会社代表。台湾および中国で約50店舗(2018年離職当時)のレストランを運営する、乾杯股份有限公司の元CEO。在職12年で売上と利益を約20倍に増やし、2016年にはCEOとして台湾の新興企業市場で店頭公開を達成。その後2019年に帰国。現在は、前職で得た資金と人脈で投資業を営む。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程在籍。

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