◆どんなことでも受け入れる覚悟

検査結果などを聞くため、夫とともに病院へ向かう車内、
真っ直ぐ前を向いたまま、夫がつぶやいた。

「もう何聞いても驚かんよなぁ」

「生きてくれとるだけでも凄いことや」

「これからもっといっぱい、悩んだり、ショック受けることもあると思うけど、どんな試練があったとしても、すべては陽のおかげで経験できること」

「陽が僕らを強くさせてくれる」

「僕らなりに、この病気に立ち向かって、どこの家族よりも笑って過ごそな」

・・・ずるいなぁ。
と思ってしまうほど、いつも夫の言葉に励まされる。

病院に着き、まずは陽との面会。夫は初めての抱っこ。
慌てすぎて、準備にもたつき、看護師さんたちに笑われ、恥ずかしそうに照れながらも、不器用に準備を終わらせた。
夫らしいな、と私も笑う。

そして陽が看護師さんから、夫のもとへ。
陽は気持ち良さそうに寝ている。
大きな腕の中で、安心しているかのように眠っている。
なぜか自分が陽を抱き寄せた時よりも、感動が大きくて、嬉しくて、
何枚も何枚も、写真を撮った。
同じ角度の写真ばかり、何枚もカメラに収めた。

陽、父ちゃんの抱き方、下手だね。

これから上手になれるように、いっぱい、いっぱい

手伝ってあげてね。

そしてしばらくして、先生方に呼ばれ別室に移動する。

「検査結果」

どんなことを聞いても、受け入れる覚悟はできている。
できているはず・・・。
きっと、大丈夫。
絶対、大丈夫。
前を歩く夫の後ろ姿を見て、再び覚悟を決めた。

『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』より)