“結婚をしてもしなくても、どちらでも心健やかに生きていけるコツ”を綴った『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』の著者・小林久乃さん。今回は特別に著書の中で、好評を得ている『あかん男』というコラムを抜粋して『BEST TIMES』で数回に渡って紹介していく。さて、その『あかん男』とは? 独特の人間観察視点を持つ小林さんが、ライターという職業柄や数多くの婚活体験を通して出会ってきた「……なんかこの人、おかしくない?」という癖、習性を持った男性たちのこと。さらに同じケースの『あかん男』を何人か集計、性格の動向を見出した分析結果のことを書籍に掲載したところ、大人気。ぜひこの機会に読んで身を振り返って欲しい。ひょっとして、あなたの周りにも『あかん男』が潜んでいるかもしれない……?
『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』より引用)

 例えば借金がある、DV癖がある、浮気をする、実は前科があるなどの訳あり物件の男性を『クズ男』と総称するとしよう。でも中には表面的に分かりづらいけれど、そのクズに到達していないけれど、人間としての危険性をはらんでいる男がいる。その本性がほんのちょっとした言動や風貌で「(……この男、なんかおかしくないか?)」と、第六感を刺激してくる男を何人か見てきた。

 そういった男を総称して個人的に『あかん男』と呼んでいる。中でも、その言動が分かりやすかった数名のエピソードをランダムに紹介していきたい。

 未然に男性災害を防ぐための、防御策をどうぞ。

 

“あかん男”たち⑦

【メール返信が遅い男】
▼信用度が低い▼

きっと彼はこんな感じでパソコンを眺めているはず…(笑)。

 ライターという職業柄、一日に送受信するメールは多い。書くだけではなく、編集業や撮影コーディネートなど食いっぱぐれのないよう、あちこちに予防線を張って仕事をしているので、さらにメールの量は増える。

「ロケのケータリングを連絡して、原稿ネタを送って……」

 フルタスクで10年以上働いていると、10件以上の案件が脳内を往来していてもパニックを起こさなくなった。慣れたものだ。ただミスはたまに起こす。

 これは自慢をしたいのだけど、メールは即返信するように心がけている。個人事業主になる際、すでにフリーで活躍している人たちにも失敗しないコツのリサーチをかけた。その時に同じライター業の先輩から伝授されたのは

「メールはとにかくすぐに返信しろ」

だった。この教えだけは忠実に守っている。まとめて後から返信すると、それだけ進行が滞るので自分も損をするから、なるべくためない、止めない。

 その心得から連絡が遅い人に会うと仕事ができない気がしてならない。ほんの少しの作業なのに、それができない ? よく彼氏からのメール返信がないと

「休憩時間の1分で送ることができるのに!」

 と怒る女性の気持ちとどこか似ている。

 メール返信の遅い男性を本当にたくさん見てきた。全員のエピソードまですべて紹介をすると、この本が300ページを超えるので今回は割愛するが、男性だけではなく女性もいた。

 遅いだけならまだしも、返信のない人もいる。他に見張りをつけるためCCメールで送っても無視。メールが続いても、電話をかけてもなしのつぶてである。

 一度、あまりにも返信がない仕事相手の男性を捕まえて、その理由を問い詰めたことがある。

「ひとつの連絡に対して、何度もメールや電話をするのは時間のロスです。こちらが下請けということで、後回しにされているんでしょうか?」

 一応伝えておくと、私が本気で怒るとむちゃくちゃ怖い。親父も男子大学生もビビらせて、泣かせたことがある。

「そんなことは……ないんです。送ろうと思うんですけど……すみません……」

 理由はないらしい。それならこれは癖だと、あきらめがついた。他にもヒット企画を持っているのに、原稿料の支払いを滞らせてスタッフを激怒させている編集者も知っている。社内でも厄介者になっていて、各部署をジブシーのように異動させられていた。部署ならまだしも、私へライティングの発注が来るたびに所属出版社が変わっている転職マンは、連絡を滞らせる天才だった。

 質のいいアイデアを出せ、と言っているのではない。それはもう能力の問題だ。メールを返す、連絡をする。そして使った金を清算する。誰もができることを怠るのは、もうその人の『感覚』なのだと思う。よく忘れ物をしてしまう小学生の習性が直らないことと同じだ。相手の信用が低くなるなんて、当人の発想にはない。最近はその手の人種を追いかけることはやめて、こちらも返信をしないように対処している。

 そして他にメールの送受信で気づいたのは、多忙な人ほどメールの返信が早いこと。受信をした知らせだけを送ってきて

『詳細はまた改めて送ります』

 という人もいる。ここで信頼度はめきめきと上昇する。別の事例もあって、新人ゆえに仕事を回せず、私に怒られてばかりの編集者くんがいる。でも彼、メールの返信だけは早い。それだけでもやり取りをする側は救われるし、また仕事がしたくなる。スマホですべての受信が可能になった時代に、一本の返信もできないほど時間のない人はこの世に存在しない。