書店の女性向けエッセイが並んだコーナーへ行くと「結婚しろ」か「独身がいい」と、女性の生き方をいずれかに絞った本が鬼のように並ぶ。そんな最中に「もう令和なんだから結婚にこだわらずに、胸張って楽しく酒でも飲んで生きようぜ!」と綴った、人気の独身女性にとって救世主のような一冊がある。それが『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』。著者の小林久乃さんが、著書の内容をさらに掘り下げて、女性が楽しく生きていくコツを『女子楽也』と題して紹介していく。

ジグソーパズルだからこそ、女の毎日は楽しい

 週末の夜。渋谷駅のホームでOLっぽい女性が彼氏に浮気をされたと、隣にいる女友達に嘆いていた。察するに今夜は彼女の愚痴大会だったのだろう。

「今度こそは結婚すると思っていたのに、なんで私は男運がないのかな。ダメ男ばっかり好きになっちゃって最悪」

 泣きそうな声で彼女が言った。

「(おいおい、そんなことないでしょ。彼氏に浮気されたということは、恋人がいたという証でしょう。本当に男運がない女っていうのはね、男と言ったら親兄弟しか知らないような人のことを指すんだよ?)」

 口にはしていないが、つい会話に参加しそうになった。ここにビールでもあったら宴会を開いていたところである。浮気、借金、お家問題、性格難。ダメ男の条件は宇宙の果てまで続く。でも昔から私たちの先輩女性たちが渾々と伝えている『ダメ男ほど魅力がある』と言う説。これを改めて、推奨したい。

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 ここから始まるコラムは、吉凶混合の恋愛を重ねてきた私の持論、ともとらえて読んで欲しい。なぜダメ男に魅力が漂うのかといえば、完璧ではないからだ。恋愛をするときに人が求めるものの一つに、子ども返りがある。外では仕事をして、それなりの立場を担保していなくてはいけない。でも時にはその殻を破って自分を甘やかしたくなる。その相手が恋愛対象だ。

 

 例えば彼氏が顔も心もイケメンで、高収入、実家も裕福。そんな好条件だったとしよう。この状態は飽きる。よく『美人は三日で飽きる』という、贅沢な喩えがあるけれど、あれは事実。あと、完全無欠の相手とプライベートを過ごすと、凡人なら惨めさを感じて居心地が悪くなる。これではいい関係は継続しない。

 

 ジグソーパズルでピースを少しずつ集めていくように、相手の足らないところを自分が埋めていく。出来上がっても、また違う絵柄を探してパズルを始める。この繰り返しが男女の恋愛関係に似ていて、だから楽しいのではないか。そもそも女性側も“ダメ女”だ。二人揃って、大人としての大義名分をなんとか果たせるような関係くらいが、真面目に日々働く私たちにはちょうどいい。