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忘年会シーズン!酒にまつわる珍名

珍名さん万歳(34)

日本全国に数多ある名字に高校生の時から興味を持ち、研究を始めた高信幸男さん。自身が全国を行脚し出会ってきた珍名とそれにまつわるエピソードを紹介する。

 

 12月は忘年会のシーズンである。忘年会の趣旨は「その年の苦労を忘れる」ことであるが、お酒を飲むことがメインのようにも感じられる。

 ところで、お酒は日本では昔から神事に使用されることが多い。「清め」として使われるのもそのような意味合いがあるのかもしれない。日本には各地に多くの蔵元があり、杜氏による美味しい酒が造られている。

 そのような関係からか、酒に関する名字も多い。神酒(みき)や清酒(せいしゅ)・蔵元(くらもと)・杜氏(とうじ)・米(よね)・糀(こうじ)・水(みず)・升(ます)・盃(さかづき)・銚子(ちょうし)などがある。

 酒の付く名字も多く、酒井(さかい)・酒入(さかいり)・酒詰(さかづめ)・酒屋(さかや)・酒寄(さかより)・小酒(こざけ)・大酒(おおさけ)・新酒(しんさか)・古酒(こさか)などがある。

 新潟県南魚沼地方には、飯酒盃(いさはい)という名字が存在している。実は、「いさはい」という名字の由来は酒とは全く関係がなく、長崎県諫早(いさはや)地方の地名である。諫早から移り住んだ一族が、「いさはや」をいつしか「いさはい」と呼ぶようになり「飯酒盃」を名字とした。同地方には「伊佐早(いさはや)」という名字も存在している。

 南魚沼地方は、美味しい米「コシヒカリ」と、「八海山(日本酒のブランド)」の産地である。「飯酒盃」という名字は、まさに、おいしいごはん「飯」とおいしい「酒」で酒盛り「盃」をしていることを想像させる風流のある名字である。「飯酒盃」の名字の人達は、どんな思いで忘年会を行っているのか聞いてみたい。 

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高信 幸男

たかのぶ ゆきお

名字研究家



1956年、茨城県大子町生まれ。高校の時から名字研究を始め、全国を旅しながら名字の由来やエピソード等を取材している。主な著書に『難読希姓辞典』『名字歳時記』『珍名さん』など。日本家系図学会員、茨城民族学会員、日本作家クラブ会員。


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