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阪神&阪急電車のミニ路線巡り(1)

乗車まもなく終点!? 関西の「盲腸線」

 取材の必要に迫られて、関西の大手私鉄のうち阪神と阪急のミニ路線、いわゆる盲腸線を乗り歩くことになった。

阪神本線を走る急行電車

 旅の始まりは阪神の梅田駅。そういえば、最近改名されて大阪梅田駅という表示になっていた。地下にある駅で阪急や南海の巨大なターミナルとは程遠いコンパクトなスケール感だが、急いで電車に乗ったので手狭さが気になることはなかった。急行尼崎行きは、すぐに発車。地下のトンネルを出ると野田駅に停車した。「のだ」の発音を「の」にアクセントを置くのが関西らしい。野田駅を出てしばらくすると淀川を渡る。その後、神崎川も渡り、いくつもの駅を通過していき、大物で阪神なんば線と合流すると、もう終点尼崎駅だ。

尼崎駅で普通電車を写真右手から左手に通り抜け

 目的地は尼崎ではないので、電車を乗り換えることになる。時刻表をチェックすると阪神なんば線経由でやってきた快速急行神戸三宮行に接続することになっている。ところが快速急行は、別のホームに停まっている。何だ隣のホームではないのか、面倒だなと思い、しょうがないから同じホームの反対側に停まっている各駅停車の高速神戸行きで我慢するかと、高速神戸行きに乗ることにした。大勢降りた乗客のあとについて各駅停車に乗り込んだのだが、その電車の反対側のドアも開いている。多くの乗客は、各駅停車を通りお抜けて、別のホームに向かい、快速急行に乗り込むではないか。首都圏だったら、面倒にもかかわらず、階段やエスカレータを小走りで駆け上がり、別のホームの階段を駆け下りるところだろう。まさか、電車を通り抜けに使うとは思ってもみなかった。後で調べてみると、これは関西ではよくある方式とのこと。文化や習慣の違いは興味深い。

阪神武庫川線のワンマン電車

 というわけで、快速急行に乗り換えたものの、3分で目的地の武庫川駅に着いてしまった。武庫川という名の通り武庫川を渡る橋の上にホームがある。ホームの外側は金網で隔てられているものの歩道になっていて、自転車に乗った人や歩行者が行き来している。面白い光景だ。
 さて、西宮方面にホームを歩いていくと、やがて通路に代わり、階段を降りると武庫川線乗り場があった。同じ阪神の路線なのに改札がある。、武庫川線の駅は無人駅なので、紙のきっぷを持っていれば正しい運賃のきっぷを持っていなくても降りることができてしまう。そうしたこともあって、ここでチェックをするようだ。私はICカードを使っているので、タッチして武庫川線のホームに入ることができた。

終点武庫川団地前駅

 ホームには2両編成の電車が停まっていた。オレンジ色とベージュに塗られた阪神電車らしい塗装だ。ただしワンマン運転で車掌はいない。昼下がりだが、ほどほどの込み具合で発車。単線の路線で武庫川沿いに南に向かう。ただし土手の下を走るので、車窓から川面は見えない。2つの小さな駅に停まると武庫川団地前駅に到着。ここが終点だった。乗車時間わずかに5分。盲腸線にふさわしい。

武庫川の鉄橋上にあるホーム

 駅の隣はスーパーマーケットがあり、行き止まりの線路の先は通りを隔ててマンション群が林立している。とくに興味深そうなものもなさそうなので、折り返しの電車で武庫川駅に戻った。到着したホームの先、阪神本線を潜るように線路は延びていて、そこにも2両編成の電車が停まっていた。その先でスイッチバックして線路は本線につながっているようだ。
 再び川を渡る鉄橋上のホームに行き、やってきた急行西宮行きに乗る。途中甲子園駅に停車したので、甲子園球場を目で追ったが、高速道路に阻まれて確認できなかった。

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野田 隆

のだ たかし

日本旅行作家協会 理事

1952年名古屋生まれ。日本旅行作家協会理事。早稲田大学大学院修了。 蒸気機関車D51を見て育った生まれつきの鉄道ファン。国内はもとよりヨーロッパの鉄道の旅に関する著書多数。著書に『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている~鉄道旅行再発見』(平凡社新書)『定年からの鉄道旅行のススメ』 (洋泉社新書) 『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)『愛知県 駅と路線の謎』(洋泉社新書y)など。



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