【天皇陛下の貫いた雅子皇后さまへの熱い想い ~おふたりの純愛エピソード~】 | BEST T!MESコラム

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天皇陛下の貫いた雅子皇后さまへの熱い想い ~おふたりの純愛エピソード~

小和田家の戸惑いと苦悩

11月10日の「即位祝賀パレード」は日本中を喜びに満ちさせた。おふたりがご成婚にいたるまでにあった純愛エピソードをここで1つ紹介。隠密作戦をとってまで、貫いた天皇陛下の皇后さまへの想いは、皇后さまの心を揺れ動かしていく。<消えたお妃候補たちはいま(著:小田桐 誠/KKベストセラーズ)より

■再会への隠密作戦

 1992(平成4)年8月10日、宮沢喜一首相が秋の天皇訪中を表明。15日には全国戦没者追悼式と、宮内庁担当記者にとって忙しい出来事が相次いだ。宮内庁は、担当記者が忙しく、人手不足のときに動くクセがある。16日は新聞休刊日だった。皇太子の16日の日程は、公式には「午後はテニス。外出など特別の予定はない」と示されていた。前夜からの当直明けの職員にもこう伝えられていたが、皇太子は昼食を終えると東宮仮御所を秘かに出た。夕食は前もって遅らせてあった。再会で話が弾み、食事に間に合わなければ、外出が職員に知れてしまう恐れがあるからだ。

 外出には、赤坂御用地の門で皇宮警察のチェックを避けるため、目隠しをした職員の車を使った。さらに皇太子の外出には必ずついていた警視庁の警備担当者にも連絡がなかった。マスコミを欺くにはまず身内からというわけである。

 だが、この隠密作戦は、一つ間違えば交通事故など予測のつかない事態に巻き込まれる危険性をはらんでいた。かつて皇太子が「日本の皇室警備は過剰」と発言したとはいえ、従来の皇室警備のあり方からいえば考えられない措置だった。それだけ宮内庁はいうに及ばず皇太子自身結婚に向けての成果を期待していたといえる。

 目隠し車と山下和夫東宮侍従長が乗った「カペラ」は赤坂御用地の門を通り抜け、東京千代田区五番町の皇居外堀にほど近い柳谷謙介の自宅にすべり込んだ。柳谷宅にはすでに小和田雅子が待っていた。4年10カ月ぶりに再会した二人は、「共通の留学先である英国オックスフォード大学のことや皇室、外交官としての苦労話、今抱えている課題など3時間ほど語り合った」(宮内庁担当記者D)。柳谷夫人がお茶を運んだりしたが、皇太子は膝を乗り出し、懸命に小和田に語りかけていたという

 この日を境に、皇太子は電話攻勢にも乗り出した。電話といえば、明仁天皇が電話で熱烈にプロポーズしたのは有名な話。秋篠宮も交際中、紀子妃の実家に頻繁に電話をかけ、川嶋家を困惑させたといわれる。

 再会後、皇太子は「第29回万国地質会議」のため京都へ、「全国農業青年大会」出席のため秋田市などへ出かけたが、出先から電話することもあったという。ただ小和田は仕事で深夜、早朝に帰宅することも多く、二人で話す機会は少なかったようだ。

 また、皇居でのいろいろな行事やパーティに小和田夫妻が招かれていると、皇太子は小和田夫妻を見つけ出して笑顔を見せたり、近づいて目礼した。来日した「ベルリンフィル」の演奏会では、同じロイヤルボックスのかなり後ろに座っていた小和田夫妻に挨拶したこともあるといわれる。

 いじらしいほどの皇太子の思いにどう応えるべきか。小和田雅子は揺れ動いていたようだ。9月には宮内庁参与の団藤重光が東京・目黒区南にある小和田家を訪ね、本人や両親の相談に乗っている。

 「その時は、いろいろと立ち入った意見も申し上げ、とくに殿下の強いご執心のほどを改めてお伝えするなど、何かと助言や激励をしてあげました」(『週刊朝日』93年1月29日号)

KEYWORDS:

『消えたお妃候補たちはいま ―「均等法」第一世代の女性たちは幸せになったのか』

小田桐 誠

 

皇后雅子さまと他の候補者たちを分けたもの

それぞれを待っていた未来は

令和時代が幕を開け、皇后となった雅子さまに大きな注目が集まっている。現在の皇室も結婚問題に揺れているが、天皇陛下が雅子さまを射止めるまでの「お妃選び」も、初めてお相手候補の報道が出てから15年という長期にわたり世間の耳目を集めるものであった。

その間、リストアップされた有力候補者たちは本書に登場するだけでも70名。雅子さまとのご成婚に至るまでに、家柄も学歴も申し分ない候補者たちがなぜ、どのようにリストから消えていき雅子妃が誕生したのか。

外務省でのキャリアを捨てて皇室に入られた雅子さまと、消えたお妃候補者たちは同世代で、いずれも「男女雇用機会均等法」第一世代。四半世紀を経た今、果たしてそれぞれの幸せをつかんでいるのか――克明に追ったルポルタージュ。

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小田桐 誠

おだぎり まこと

ジャーナリスト

1953年青森県生まれ。亜細亜大学法学部卒業。



出版社勤務を経てフリーのジャーナリストに。



放送専門誌『GALAC』編集長、BPO「放送と青少年に関する委員会」委員、NPO法人放送批評懇談会常務理事選奨事業委員会委員長、法政大学社会学部兼任講師を経て、現在、メディア総合研究所運営委員、立教大学と武蔵大学社会学部兼任講師。



著書に『企業脅迫!——グリコ・森永事件の構図(社会思想社)』、『PTA改造講座』(NHK生活人新書)、『テレビのからくり』(文春新書)、『NHKはなぜ金持ちなのか?』(双葉新書)などがある。『日刊ゲンダイ』毎週月曜日発売号に「MC・コメンテーター診断」を連載中。


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  • 小田桐 誠
  • 2019.05.25