【青汁王子「語り下ろし」】挫折からエビ反り急成長! 世間の人が9割間違える「商売」成功の本質《年商131億! 絶望と希望の真実③》 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

【青汁王子「語り下ろし」】挫折からエビ反り急成長! 世間の人が9割間違える「商売」成功の本質《年商131億! 絶望と希望の真実③》

■広告が当たるから商品が当たる

編集部———「思い入れがないから、売れた」とはどういうことでしょうか?

三崎———例えば、「扱う商品に対する思い入れがあるから、売れる」ならば、商売というものが、「好きこそものの上手なれ」ということわざ通りになりますよね。でも、商売は、そんな簡単じゃないんです。たぶん世間の9割の方は、ここを誤解していると思うんです。よく「プロダクト・アウト」とかを言いますけれど、商品がいいから当たっていると思う人達は、大きな間違いをしてしまいます。もちろん、私はフルーツ青汁が「商品としていい」と思って投資し、世に出したのですが、しかし、商品がいいから当たるんじゃなくて、「広告が当たるから商品が当たる」と思ってたんですよ。そうしたら案の定、売れました。その意味で私の戦略は、結果として「マーケットイン」だったのかもしれませんが。

編集部———「広告が当たるから商品が当たる」とはどういうことでしょうか?

三崎———そうですね。これは極論ですが、ネット広告が当時出せれば、この商品じゃなくてもフルーツ青汁じゃなくて、何を出しても売れたと思います。当時。それぐらいの「広告を出す方程式」みたいなものが自分なりにあったので売れたのだと思うのです。そしてたまたま出したのが「青汁だった」から、そうなった。

編集部———最初は青汁が「マズい」というところに気づいたわけですよね。

三崎———そうです。で、飲みやすい青汁を出そうかなと思ったんですけれど。しかし、それはきれいに言えば、その思いが「すっきりフルーツ青汁」の成功譚のきっかけと言った方が読者の皆さんにとっては腑に落ちる話だと思うのでしょうが、やはり、正直にお話ししたい。別に本当に、なんか商品の設計に対して思い入れとかがあって設計したっていうよりは、本当に広告先行で作ったんです。マーケティング先行で作ったんです。そこを世間の人達はすごく勘違いしているところだと思います。

編集部———たとえば扱う商品が青汁でなくても、なんでもよかったのですか。

三崎———そう。私にとって商売で成功するための商品は、何になるか分からなかったのです。たまたま青汁だっただけなんです。要するに広告を使って、ちょうど参入障壁の低い美容の中で、何があるかなと思って、フルーツ青汁って、飲みやすい青汁みたいでしょう、実際の青汁が「マズくて飲みにくかった」のでじゃあ行くしかない!みたいな直観です。でもその商売の環境よりも、裏舞台としては、私にとって広告をこうやったら絶対売れるっていう方程式があったんですよ。

編集部———なるほど。つまり、ビジネスモデルというよりも、自分の広告の計算式を実験し、成功したということなのですね。

三崎———そうです。当時、環境的にはスマートフォンで健康食品やサプリメントや化粧品を売るっていう文化が、まだあんまりなかったことも事実です。もちろん、大手はやってました。たとえばキューサイとか、ちょっと高齢者向けの商品はやってたんですよ。私は、その広告を眺めて、「こんなんじゃあ、誰が見るんだ」と思ったんです。実際、代理店の話を聞くと、広告効果は良くない、と。高齢者向けの商品だから、そんなのスマホやネットで出しても売れるわけがないだろう、だから、ちゃんと年齢別にセグメントして、若い人にウケるような商品設計にしないと売れないだろうと思った。で、あえてその飲みやすくて美味しそうな青汁にしたということですね。パッケージも若い人向けにデザイン化しました。さらに、定期購入にしたんです。

編集部———月々での販売ですか。最初にお金をもらい、納品し続ける。

三崎———はい。それが結局、1年目で8億円、2年目で20億円ぐらいですね。3年目で130億円と右肩上がりで収益が増えていきました。このころから、私自身から発信していくこと、さらにメディアにも積極的に出演していきました。

編集部———130億円まで行ったその後に、いよいよここで2018年の1月30日を迎えるわけですね。

三崎———はい。それで突然、ちょうど「マルサ」いわゆる国税局査察部が来たわけです。脱税の容疑による強制捜査です。

(「絶望と希望の真実」最終回:厳然とある不公平のなぜ——逋脱(ほだつ)率100%の上級国民は修正申告、私は刑事事件》へつづく)

 

KEYWORDS:

オススメ記事

三崎 優太(青汁王子)

みさき ゆうた

三崎優太(みさき・ゆうた)
高校時代に始めたアフィリエイト広告で月収 400 万円を売り上げるなど若くしてビジネスの才能が開花、高校を二度退学後、パソコン1台で起業し、 18 歳で株式会社メディアハーツ(現・ファビウス株式会社)を起業。2014 年には美容通信販売事業を開始、2017 年に「すっきりフルーツ青汁」が累計 1 億 3000 万個の大ヒットとなり、年商 131 億円の会社をつくり上げる。
「青汁王子」の異名を取り、メディアでもてはやされた。
現在は、若手経営者へ多岐にわたる事業支援を精力的に行う実業家として活躍。

ツイッター :@misakism13
インスタグラム :@yuta_misaki
YouTube チャンネル :「 三崎優太 青汁王子」
オフィシャルサイト: YUTA MISAKI OFFICIAL WEBSITE

この著者の記事一覧

RELATED BOOKS -関連書籍-

過去は変えられる
過去は変えられる
  • 三崎 優太
  • 2020.10.09