ユダヤ商法に〝あいまいさ〟は厳禁。だからいつでもどこでもメモをとる。 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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ユダヤ商法に〝あいまいさ〟は厳禁。だからいつでもどこでもメモをとる。

ユダヤ人のメモ帳はタバコの空き箱を代用した

ビジネスの基本である「メモ」が再注目されている。若手起業家のメモをテーマにした書籍もベストセラーとなっている。そして遡ること1972年初版の『ユダヤの商法』にも、ユダヤ人の尋常ならざるメモの習慣が紹介されていた。新装版として復刊した同書より紹介する。

■いつでもどこでもタバコの空き箱にメモを取る

 

 ユダヤ人は、重要なことは、どんな場所ででも、必ずメモを取る。このメモが、彼らの判断の正確さにどれほど役立っているか分からない。

 メモを取る、といっても、ユダヤ人はいつもメモ帳を片手に歩いているのではない。ユダヤ人のメモ帳はタバコの空き箱を代用したものである。ユダヤ人は、タバコを買うと、中身はすぐにシガレットケースに()しかえるが、空き箱は捨てずにポケットへ入れておく。たまたま、商談などで、記録が必要になった時は、この空き箱を取り出して、その裏側にメモを取る。このメモは、あとでメモ帳に整理して記録される。タバコの空箱にメモを取ることで、ユダヤ人はユダヤ商法に〝あいまいさ〟が生じることを許さないのだ。迅速に的確に判断を下しても、肝心の日時、金額、納期などがあいまいであっては、なんにもならないからだ。

 日本人は、重要なことを聞き流し、うろ覚えのままですましてしまう()()がある。

「あの時の話では、納期は確か○月○日だったでしょう。それとも×日でしたかな」

 そう言って平然としている。時には、わざとあいまいさをおトボケに利用する。しかし、相手がユダヤ人では通用しない。

「あ、思い違いでした。△日でしたね。私はてっきり○日だと思っていたものですから」

 などと弁解してもすでに手()れ。契約()()、債務不履行にかかわる損害賠償請求──といった方向へ事態が進展しないとも限らない。

 ユダヤ商法には、あいまいさはないし、思い違いもないのである。ちょっとしたことでも、面倒がらずにメモを取るべきである。

『ユダヤの商法』より構成〉

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藤田 田

ふじた でん

「日本マクドナルド」創業

1926年大阪生まれ。旧制北野中学、松江高校を経て、1951年東大法学部を卒業。在学中GHQの通訳を務めたことがきっかけで「藤田商店」を設立、学生起業家として輸入業を手がける。1971年、米国マクドナルド社と50:50の出資比率で「日本マクドナルド(株)」を設立。同年7月、銀座三越1階に第1号店をオープン。そこからハンバーガー旋風を巻き起こし日本人の食生活を変えていく。「価格破壊」など革新的な手法を次々と展開した。のちに「日本トイザらス」も設立。2004年没。孫正義氏、柳井正氏ら、日本を代表する企業を率いる経営者たちに影響を与えたとされる。『ユダヤの商法』『勝てば官軍』『Den Fujitaの商法』など数々のベストセラーを残した。長く品切れが続いていたが2019年4月に完全復刊する。


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