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全線開業したばかりのJRおおさか東線に初乗車

国鉄201系「省エネ電車」は関西圏で活躍中

新大阪駅で発車を待つおおさか東線の電車

 新たな路線が開業すれば乗りたくなるのが鉄道ファンの性(さが)というもの。かといって超満員の一番列車や開業直後の物見高い人々で混雑する状況は避けたいので、開業後1カ月近く経った4月中旬の平日昼間にJRおおさか東線の初乗車を試みた。

 京都から特急「はるか」のハローキティラッピング車両にたまたま乗り合わせたので、じっくり写真が撮りたくて、到着ホームの隣のホームに回って発車を見送ったところ、そのホームに黄緑色の通勤型電車が入ってきた。うかつにも、それがおおさか東線とは知らなかったのだが、おかげで乗り場を調べる手間が省けてラッキーだった。
 さっそく先頭車両に乗車。余裕で座れたのだが、ロングシートに座り続けても面白くない。それで、運転台すぐ後ろに立って、前面展望を楽しむことにした。中高年の男性が隣に立ったものの、あまり熱心な鉄道ファンではなさそうで、いつの間にか後方のロングシートに座ってしまった。というわけで、窮屈な思いをすることなく、のんびり過ごすことができて幸いだった。
 電車は201系という通勤電車。国鉄時代の1979年に「省エネ電車」として首都圏の中央線に登場したものと同形式だ。中央線の車両は、とうに引退してしまったが、関西圏では、まだ活躍している。オレンジ色や青い色のものに馴染んでいたので、古い車両であっても黄緑色は新鮮な感じがする。

いよいよ新線区間へ

吹田方面からの貨物線と合流

 定時におおさか東線の久宝寺行きは新大阪駅を発車。まずは京都方面へ向かい、東淀川駅を通過。といってもおおさか東線の線路にはホームがない。神崎川を渡ると、京都方面へ向かう本線と分かれ、真新しい高架線にかけのぼり、一気に何本もの線路を跨いで右へ右へとカーブして最初の駅南吹田に停車する。右カーブが続き、先ほど渡ったばかりの神崎川を再び渡ると、左から単線の線路が近づいてきて合流する。吹田方面からやってきた貨物線だ。おおさか東線は、昔から存在した城東貨物線を複線電化して旅客営業を開始したもので、ここからは貨物線の改良区間である。東海道新幹線の高架の下をくぐり、阪急千里線と京都線をまたぐとJR淡路駅。阪急の淡路駅とは微妙に離れているので、駅名にJRを付けて区別している。

淀川橋梁

 高架線を進むと、淀川を渡る。古びた鉄骨に覆われたトラス鉄橋だ。赤川鉄橋と呼ばれ、かつては複線用の鉄橋の片側だけに線路が敷かれ、もう片方は歩道として活用されるという珍しい形の鉄橋だった。今は普通の複線の鉄橋として電車が走り抜ける。

新大阪行きとのすれ違い

 城北(しろきた)公園通駅、JR野江駅と同じような高架駅が続き、複々線の京阪本線を越えると、右手からJR片町線(通称「学研都市線」)が近づいてくる。電車は左にカーブして鴫野(しぎの)駅に到着。発車すると、片町線の複線のうち、四条畷、松井山手方面へ向かう線路だけがおおさか東線を跨いで左側に移り、しばし並走する。複々線のうち、おおさか東線は真ん中の2つの線路を占有しているのだ。次の放出(はなてん)駅までが、今回の新規開業区間で、新大阪駅から各駅停車で16分かかったことになる。

放出駅に到着

放出駅で上下列車が行き違う

 放出駅では3分も停車するので、一旦ホームに降りてみた。おおさか東線の新大阪行きが停車中で、前面と後部には開業を祝うヘッドマークが付いていた。同じホームの反対側には片町線の電車も停まり賑わっていた。
 片町線、東西線経由の区間快速塚口行きが隣のホームに到着したので車内に入る。幸い運転台後ろは誰もいなかったので、引き続き前面展望を楽しむことができた。

放出駅で片町線電車を見送る
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