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「ドロップゴール」を知れば、ラグビー通に一歩近づける。

「ラグビーのオモロイ観方」第6回

今年はW杯日本開催もあるし、何かと気になるラグビー。でも観方がいまひとつわからない!そんなあなたにおくる連載企画。前回W杯南アフリカ戦を観てラグビーにプチハマりしたものの、その後が続かず。もう一度しっかりラグビーを知りたいというライター福田のもとに元日本代表・大西将太郎先生があらわれた――。今回は攻撃のイロハを学ぶ。

 ■得点方法は5種類。あまり聞き慣れないドロップゴールとは

連載「ラグビーのオモロイ観方」第6回〉

福田 前回はスクラムとラインアウトのセットプレーについて教わりました。となると、次はどうやって点を獲りにいくかですよね。

大西 そうですね。戦術的な話をする前に、ラグビーの得点方法を説明しますね。大きく分けると「トライ」※1と「ゴールキック」の2種類。トライには「通常のトライ」(5点)と「ペナルティトライ」※2(7点)の2つがあり、「ゴールキック」にはトライのあとのコンバージョンキック(2点)、相手の反則によって得られるペナルティゴール(3点)、そしてドロップゴール(3点)。全部で5つあります。まあ「ペナルティトライ」はひとまずは忘れていただいて構いませんよ。

福田 ほうほう。こうして聞くと結構ありますね。えーと「ペナルティトライ」はお言葉に甘えて一旦忘れます笑。あっそれで「ドロップゴール」? これってなんですか?

大西 ドロップゴールは、インプレー中にボールを地面に落とし、跳ね返りを蹴って、ゴールキックを成功させた場合、得点が認められるゴールです。プロリーグでも、試合中1回もないこともザラ、という珍しいプレイ。しかし、ワールドカップのようなハイレベル国同士のぶつかり合いになると、なかなか正攻法では点を獲ることが難しいので、ドロップゴールを狙うシーンも多くなってきます。ドロップゴールが大一番での勝敗を分けたりもする※3ので、これは覚えてほしいですね。

写真は2015年W杯決勝のニュージーランド対オーストラリア。ダンカーターの試合を決定づけるドロップゴール

福田 じゃあ、今年のワールドカップで見られるかも!でも、ラグビーの基本的な攻め方としては、やっぱりトライを狙うんですよね。

大西 その通りです。まずはトライを狙う。そこで相手のディフェンスが固かったり、あるいは「3点でいい」という場合に、ペナルティゴールやドロップゴールなどで得点を狙っていくという順番です。

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大西 将太郎

おおにし しょうたろう

ラグビー元日本代表、解説者。

地元東大阪市の布施ラグビースクールでラグビーを始め、啓光学園高3年で全国高校大会準優勝。高校日本代表では主将を務め、スコットランド遠征全勝の快挙を達成。ジャパンラグビートップリーグ(リーグ戦)は通算143試合に出場。2007~08シーズンは「ベスト15」、「得点王」、「ベストキッカー賞」の三冠に輝く。日本代表には同志社大4年時(2000年)に初選出、以降、2008年のサモア戦まで通算33キャップ(試合)に出場。2007年ワールドカップフランス大会のカナダ戦では終了直前に同点ゴールを決め、12-12と引き分けながらも日本代表のワールドカップ連敗記録を13で止めた。 2016年現役引退。現在はJSPORTSやWOWOWのラグビー解説者として、また2019年ラグビーワールドカップの認知活動および、ラグビーの普及活動のため全国をまわっている。


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