小泉進次郎総裁候補が他の有力候補者に圧勝している理由とは?【密着自民党総裁選2025 #1 林直人】
【密着自民党総裁選2025 #1 林直人】

■小泉進次郎候補の政策の出来はかなり良い
小泉進次郎総裁候補の政策は出色だ。他の候補者の政策と比較しても、来たるべき衆議院総選挙に向けたマーケティング戦略としても、他の総裁候補が影響力を持つ自民党内の派閥を切り崩す政治戦略としても、そしてなにより国民の生活を豊かにする経済戦略としても、修行に修行を重ねた自民党内の精鋭たちが絶対に負けられない戦いのために練り込んだ戦略を発表し(あるいは特に発表せず)、実行に移しているのがよく分かる。
たとえば、「物価スライド基礎控除の導入」というのは、国民民主党の政策とほとんど同じ政策である。自民党内の中にいる若くて格好いい総裁が国民民主党の政策をほとんど丸呑みで実行すれば、玉木代表の存在感は一気に薄れる。
今日はその中でも、小泉進次郎総裁候補を総理にするということが、今回の総裁選挙や次の衆議院議員選挙で政策的・選挙戦術的にどのような意味を持つのか、そしてなぜ小泉進次郎候補は今のところ他の有力候補を抑えて圧勝しているのかについて考えたい。
■選挙戦略としての「関東学院大学卒業」
小泉進次郎総裁候補については、マスコミでよく取り上げられるイメージとしては、「議論・討論に弱い」「何を考えているかわからない」というものである。私も含めてだが早慶出身の東京のマスコミ関係者は、関東学院大学出身の小泉進次郎総裁候補を知的な部分でどこか見下しているような雰囲気すら感じる。
だが、そもそも小泉進次郎総裁候補が関東学院大学出身であるということは、父親の小泉純一郎元総理が慶應義塾大学を卒業した後、一回目の選挙で負けていることへの反省を込めた選択であるとも考えられる。実際に横須賀に行くとよく分かるが(私は前回の横須賀市長選挙の取材で横須賀を度々訪れた)、横須賀は横浜からは1時間程度かかり、横浜とは地理的に隔絶している。全く別のコミュニティなのだ。
この中で選挙に勝つには、横須賀の学校に通うのが一番だ。小泉進次郎総裁候補が関東学院大学出身であることは、(親と同じ名前に改名した中村喜四郎元大臣同様)ある種の選挙戦略だとも考えられる。
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