【独占取材】選挙費用8,458円で勝った!さとうさおり氏に聞く「奇跡の都議当選」内幕と今後のビジョン |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

【独占取材】選挙費用8,458円で勝った!さとうさおり氏に聞く「奇跡の都議当選」内幕と今後のビジョン

▲さとうさおり氏

 

今年6月に行われた東京都議会議員選挙では、前回の選挙で勝った自民党が第一党から滑り落ち、都民ファーストの会が勝利。都議会第一党の座に返り咲いた。議席数を回復した都民ファーストの会だが、実は一人区で負けた選挙区があった。

それが千代田区である。二期務めた都民ファーストの会所属の現職が有利と予測された選挙区で奇跡が起きた。議席を獲得したのは、政治団体「減税党」の党首・さとうさおり氏である。今年の1月に行われた千代田区長選挙にも出馬し、現職をあと一歩まで追い詰めた女性だ。

公認会計士として仕事をしてきた知見を生かして、予算の無駄を削減して減税することを公約に掲げてたった一人で選挙戦を戦ってきた。頼みの綱はSNSとYouTubeのみ。組織もない、事務所もないという状況で戦って当選したさとう氏は、一人会派(やちよの会)として議会で活動をしていくという。

今回彼女に都議会議員選挙とこれからの議員活動について詳しく話を聞いてみた。


■告示日当日に出馬を決意。ドタバタで選挙準備

 

 

––まずは都議会議員選挙の当選おめでとうございます。

さとうさおり都議会議員(以下、さとう) ありがとうございます。

––早速ですが、都議会議員選挙に出馬した理由からお聞かせいただけますでしょうか。

さとう 元々は別の方が出る予定だったのですが、その方が(減税党を)離党するなど、難しい事情もあったため都議選は見送る予定でした。でも、街中で政治活動していると「さとうさん、都議選出ないの?」「千代田区のために出てくれないかな」と言ったお声をたくさんいただいたんです。

 今回は見送りと決めていたので、皆さんからの「出て欲しい」というご意見にはすごく悩みました。でも皆さんから期待されているのに無視するのは私らしくないと思って、告示日の前日、12時を越えて当日に出ることを決めました。

––そんなギリギリの状況で準備できたのでしょうか。

さとう 全然用意していなかったです。だからバタバタしながら準備していました。「出る」と決めてから立候補の届出に必要な書類を作りはじめて、できたのは告示日の朝7時です。それからポスターとチラシデザインの発注をして、選挙管理委員会に供託金と一緒に書類を持っていったのが午前11時くらいですね。他の候補者と違って、私は立候補予定者説明会に参加していなかったので書類の精査を受けてから受付って感じで本当にドタバタでした。

––選挙活動に入ったのは何時頃だったのでしょうか。

さとう 午後1時くらいだったと思います。掲示板にポスターを貼るのも翌日以降でしたし、チラシもないので出遅れ感はありましたね。

––そこからの大逆転はすごいなと思います。

さとう ありがとうございます。私も立候補していると皆さんに周知してもらうために駅や交差点に立ってスピーカーで訴えるしかないと思ってずっと話していました。

––さとうさんはネットでは名前が知られていますが、そのことで選挙中に嫌がらせみたいなことはありましたでしょうか。

さとう プラカードを掲げて立っている方はいましたけど、直接攻撃されるようなことはなかったです。千代田区長選挙の時はひどかったですけど、それと比べたら特には。

 今回は減税を主に掲げていましたが、実は外国人政策などの問題も2年前から取り上げていたんですね。ただ、そういった動画をあまり頻繁には出さなくなっただけで、不法移民ゼロにすべきという主張は続けていたんです。その動画を見た人が反対運動しに来たことはあったんですけど、今回は影響するような出来事はありませんでした。

次のページ選挙活動費は8,458円!お金を使わずに選挙を戦えた理由

KEYWORDS:

オススメ記事

篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

この著者の記事一覧