藤田田氏時代の日本マクドナルドは福利厚生がすごかった。社員のために病院にベッドを確保、ボーナスは“奥様”にも出す。相手を喜ばす、浪花節の人心掌握術を氏の著書『Den Fujitaの商法②』より紹介しよう。

■社員のために金を惜しむな

 

 日本マクドナルドでは、社員のために、毎年1000万円の金を捨てている。といっても、なにも溝に捨てているのではない。

 社員とその家族に万一のことがあったときにそなえて、東京の荻窪の衛生病院と大阪の警察病院に合計1000万円を払って、ベッドを確保しているのだ。

 社員とその家族に、もしものことがあっても、ただちに手術ができる態勢を整えている。

 だから、日曜日に倒れて、病院をタライまわしにされているうちに死ぬような不安は、わが社の社員に関してはない。

 昨年も一昨年も、社員で倒れてかつぎこまれたものはいない。だから、年間1000万円、4年間で4000万円を丸損している計算だが、そのために社員が安心して働けるのであれば、結局は会社にとってもプラスになる。

 全社員とその家族には、いつでもこのベッドが使えるように、カードを渡してある。

 そうやって社員の万一にそなえている会社は、日本にも、まだたくさんはない。

 社員のために金を捨てることを惜しんではならない。

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