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毎月いくらかかる?避けては通れない介護「お金」の話

【隔週木曜日更新】連載「母への詫び状」第三十一回

■特養にかかる費用は?

連載「母への詫び状」第三十一回〉

 

 介護の話題を書いていると、お金について質問されることが多い。

「特養に入所するには、どのくらい費用がかかるんですか」

「ご両親が病気では医療費が大変でしょう。仕事を休んでいるのに、どうやって工面してるんですか」

 一番多い質問がこのふたつだ。

 お金の話は難しい。各家庭によって事情が全然違うだろうし、介護保険などの制度の話をするにも、その制度がたびたび改定されて負担金額がころころ変わってしまうからだ。

 特養(特別養護老人ホーム)の費用に関しては、平成27年8月に大きな改定がされて、所得や資産に応じた負担軽減制の基準が変わった。

 ざっくり言うと、以前は「そこそこ所得のある世帯以外は負担軽減されて安かった」のが、改定後は「少しでも所得のある世帯はもう負担軽減してもらえないので安くない」に変わった。
 具体的な金額は、専門のサイトを調べるか、ご自身の市町村やお近くの特養にお尋ねくださいと言うしかない。

 

 しかし、こんな答えをすると「いや、正確な話じゃなくて、いつかの将来のために、だいたいの金額を知りたいだけです」と食い下がられる。いつかの将来には制度が変わっていると思いますよと言いたいところをぐっとこらえて、父が入所した特養を例に、だいたいの金額を記しておこう。

 居住費+食費+介護サービス利用料。これが特養の基本。入所費や保証金は、有料老人ホームなどと違って必要ない。

・所得の少ない人は、月額合計が6万円から9万円くらい。
・それ以外の人は、月額合計が15万円から18万円くらい。

 現時点ではざっとこんな相場か。同じ入所者でも要介護度が変われば、料金は数千円の範囲で変わる。部屋が立派な個室だったり、相部屋だったりの場合も、料金は変わる。

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夕暮 二郎

ゆうぐれ じろう

昭和37年生まれ。花火で有名な新潟県長岡市に育つ。フリーの編集者兼ライターとして活動し、両親の病気を受けて帰郷。6年間の介護生活を経験する。



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