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聖徳太子を殺していちばん得をしたのは誰か

聖徳太子の死にまつわる謎⑱

■容疑者は誰か? 推古天皇の場合の動機

写真を拡大 『聖徳太子伝記』覚什[他] 写本  国立国会図書館蔵

 こうしてみてくると、聖徳太子という人間が、実際はいかに危険な立場に追いこまれていたかがおわかりいただけるだろう。6世紀末から7世紀前半にかけての朝廷内の権力闘争は、太子を中心に動いていたといっても過言ではない。

 それでは、これまであげた容疑者のなかに、もし犯人がいるとすれば、いったい誰が太子を殺したのだろうか?

 この問題を解決するために、まず殺人事件捜査の定石ともいえる「誰がいちばん得をしたのか」という側面から探っていくことにする。

『日本書紀』の記述にしたがえば、太子の死後、推古30年(6)朝廷を支配したのは蘇我氏であった。もちろん、蘇我氏は推古女帝の登場した崇峻5年(592) の時点でも、すでに朝廷における発言力は群を抜いていた。だが太子の死後、蘇我氏の横暴はますますエスカレートし、あまつさえ朝廷をないがしろにするまでにいたっていたという。 たとえば、天皇の位につくためには蘇我氏の後ろ楯が必要不可欠であった。

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関 裕二

せき ゆうじ

 



1959年生まれ。歴史作家。仏教美術に魅了され、奈良に通いつめたことをきっかけに、日本古代史を研究。以後古代をテーマに意欲的な執筆活動を続けている。著書に『古代史謎解き紀行』シリーズ(新潮文庫)、『なぜ日本と朝鮮半島は仲が悪いのか』(PHP研究所)、『東大寺の暗号』(講談社+α文庫)、『新史論/書き替えられた古代史』 シリーズ(小学館新書)、 『天皇諡号が語る 古代史の真相』(祥伝社新書)、『台与の正体: 邪馬台国・卑弥呼の後継女王』『アメノヒボコ、謎の真相』(いずれも、河出書房新社)、異端の古代史シリーズ『古代神道と神社 天皇家の謎』『卑弥呼 封印された女王の鏡』『聖徳太子は誰に殺された』『捏造された神話 藤原氏の陰謀』『もうひとつの日本史 闇の修験道』『持統天皇 血塗られた皇祖神』『蘇我氏の正義 真説・大化の改新』(いずれも小社刊)など多数。新刊『神社が語る関東古代氏族』(祥伝社新書)



 


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  • 2015.07.18