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東国の陣形を西国の戦いに取り入れた天才・明智光秀

「戦う大名行列」を解く。乃至政彦氏インタビュー③

織田信長像

■「陣形」を好まない織田信長の戦い方

 織田信長はご存知のように戦争は強いですが、特殊な軍隊を作った形跡がないのです。長鑓隊と鉄炮隊を多用しましたが、謙信や信玄ほど細かいルールを作って、計画的に動かす使い方は好みませんでした。最初から最後まで少人数で自由に動き回り、軍事カリスマとしてそのとき自分で統制できる範囲の者たちに命令を下すことで、彼らに結果を求めるのが信長の用兵だったのです。

 信長がもっとも恐れた戦国大名は武田信玄と上杉謙信でした。信長はこの二人にだけは戦って勝てる自信がなかったらしく、徹底して正面対決を避けています。彼らが病死したあと、織田軍は、近世的な軍隊の創出に取り組んでいきます。といっても信長自身ではなく、織田大名の明智光秀が整備することになったのです。

 
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乃至 政彦

ないし まさひこ

1974年香川県高松市生まれ。戦国史研究家。専門は、長尾為景・上杉謙信・上杉景勝、陣立(中世日本の陣形と軍制)。著書に『戦国の陣形』(講談社現代新書)、『戦国武将と男色』(洋泉社歴史新書y)、監修に『図解! 戦国の陣形』(洋泉社MOOK)、おもな論文に「戦国期における旗本陣立書の成立─[武田陣立書]の構成から─」(『武田氏研究』第53号)がある。



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