ガラガラのまま発車。先頭車両でホームの端に停車したせいか、高架の唐津駅でも私の乗った車両には誰も乗って来なかった。高架線を走る様子は、福岡近郊区間といったところだ。唐津駅から再び筑肥線となる。6両編成の電車が走る姿は伊万里からの区間とは雲泥の差で、これなら幹線と呼ばれても違和感はない。
 河口近くで幅の広い松浦川を渡ると東唐津駅。このあたりは、1983年の電化で線路が付け変えられ、スイッチバックの駅だった東唐津駅も移転して高架になったのだ。かつては、別の場所にあった旧東唐津駅からすぐには川を渡らないで南下し、山本駅で唐津線と合流して、さきほど乗ってきた線路を通って伊万里へ向かっていた。電化して区間変更となったので、筑肥線は分断されてしまったのだ。

和多田~東唐津で松浦川の河口を渡る

 ロングシートの通勤電車なのに、車窓は見ごたえがある。虹ノ松原駅あたりで松林の中を走り、やがて玄界灘に沿って走る。いくつもの岬があって一旦海岸線が見えなくなるところがあるものの、絶景区間が続く。ほとんど人がいなかったので、のんびり海の車窓を楽しめたけれど、混んでいたら窓を背にしているため残念な状況になる。クロスシートの車両を走らせて欲しい。イベントで観光列車が走ると耳にしたけれど、1回限りではなく定期化すればいいのにと思う。もっとも、このまま乗り続けると地下鉄線に直通してしまうので、列車ダイヤの設定が難しいようだ。

玄界灘に沿った絶景区間を行く

 筑前前原(ちくぜんまえばる)駅からは複線区間となる。乗客も増え、ロングシートに斜めに座ったりすることもできなくなってきた。今宿駅を出ると、もう一度玄海灘が見えたけれど、もうゆっくり車窓を楽しむ余裕がなくなってきた。姪浜駅で乗務員が交代し、JR筑肥線から福岡市地下鉄空港線へと乗入れる。地下に潜ると、窓の外は闇となり、私の前にも人が立つようになった。あとは、20分程じっと我慢して博多駅で下車した。

福岡市の郊外は複線電化

 閑散とした伊万里駅から唐津を経て通勤電車に乗り継いだ筑肥線の旅。最初と最後では、同じ線名を名乗っているにもかかわらずあまりにも雰囲気が異なる様子に驚いた3時間だった。

地下鉄に乗り入れて博多駅に到着