耳鳴りの専門医が解説! <br />自宅でできる耳鳴り改善法 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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耳鳴りの専門医が解説! 
自宅でできる耳鳴り改善法

耳鳴りの専門医が解説! 自宅でできる耳鳴り改善法

「耳鳴りにイライラしてしまう」「早く治したい」と悩んでいる方へ。病院での治療の他に、自宅でも実践できる改善方法があります。カギとなるのは「生活習慣」と「ストレス」の2つ。めまい・耳鳴りの専門家である渡辺繁院長が解説します。

 前回の連載では、耳鳴りの症状と危険度について説明しました。今回はそれを踏まえて、「耳鳴りの改善に役立つ生活のアドバイス」を「生活習慣編」と「ストレス解消編」の二つに分けてご紹介します。

【生活習慣編】

・適度な運動
 難聴や耳鳴りを悪化させる原因として動脈硬化や生活習慣病が挙げられます。動脈硬化がすすみ、血液がうまく流れなくなることで内耳の機能が低下し、耳鳴りを引き起こす原因となるためです。
 ですから、耳鳴りを改善にも動脈硬化を防ぐ「適度な運動」が効果的だと言えます。
 簡単に取り入れられる運動としては、ウォーキングがオススメ。動脈硬化予防の目安は「一日7000歩、うち15分間は早歩き」のウォーキングが効果的とされています。

・こまめに水を飲む
 耳鳴りには、内耳の水はけ(リンパ液の代謝)の悪さも関係しているため、水を飲むことは耳鳴りの改善につながります。実際に、耳鼻科でも利尿剤を処方することがありますし、耳鳴りを伴う病気のひとつであるメニエール病や難聴の治療には「水分摂取療法」が取り入れられています。
「水分摂取療法」はカフェインと塩分が入っていない水分を、2リットルほど飲む治療法です。それによって内耳の停滞したリンパ液の水はけがよくなり、耳鳴りやめまいの改善に繋がります。
 一度にたくさんの水を飲むのではなく、こまめに飲むことがポイントです。

・規則正しい睡眠をとる
 規則正しい生活を送ることは、耳鳴り予防にも大切な心がけになります。
 耳鳴りを「イヤだな」と感じるのは大脳辺縁系です。この感情をつかさどる部分は、自律神経系と強く影響し合いながら働いています。自律神経のバランスが乱れると、耳鳴りを悪化させる緊張や不眠などの症状が起こりやすくなるのです。

 平日は夜更かし+週末に寝だめという生活をしてしまう人は少なくありませんが、夜更かしや寝だめは生活リズムを崩し、自律神経のバランスを乱すもとになります。
 睡眠の基本は、規則正しく眠ることです。普段と違う時間帯に眠ろうとしても、質のよい睡眠は中々取れません。またお昼に寝過ぎてしまうと、疲労回復どころか余計に体にダメージを蓄積する恐れもありますから、休日に寝だめをしてしまう人は、同じ時間帯に無理のない睡眠をとれるように普段の生活を見直してみましょう。 

 
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渡辺 繁

わたなべ しげる 

医療法人社団一医会 耳鼻咽喉科渡辺医院 院長

1951年、東京都生まれ。岐阜大学医学部卒業。東大病院分院耳鼻咽喉科助手、JR東京病院勤務を通して、めまい、耳鳴り、難聴、いびきなど多くの症状に接し研鑽を積む。1988年に渡辺医院を開業。日本耳鼻咽喉科学会専門医の資格を持つ。日本耳鼻咽喉科学会、日本めまい平衡医学会、日本聴覚医学会、日本頭痛学会、日本気管食道科学会所属。めまい、耳鳴りのみならず、耳鼻科の切り口から危険な頭痛を見抜き、偏頭痛の治療を行っている。


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