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「猫から虎になった」小平奈緒が“自分の距離”に挑む!

「スピードスケート」後半の見どころ。小平奈緒の滑りに注目!

■「女子500m」小平奈緒が見据える金メダル

「残すはあと1種目。お互いにそれぞれの舞台で力を出し切って、もう一段、上の台に登りたいね」

 1000mの表彰式の後、銀メダルの小平奈緒と銅メダルの高木美帆はそんな会話を交わしたという。「もう一段上」とは、もちろん金メダルのことだ。

 期待通りのメダルラッシュに湧くピョンチャン五輪のスピードスケート。前回に続き、後半の注目種目を紹介しよう。

・2月18日、女子500m
・2月19日、男子500m
・2月21日、女子団体パシュート(1回戦は19日)

写真:アフロ

 まずは小平奈緒が大本命で挑む女子500m。ワールドカップの15連勝を含めて、ここ2シーズンは主な国際大会で負け知らずの種目だ。郷亜里砂もメダル争いに加われる。

 ライバルを3人あげる。

 まず、イ・サンファ(李相花)。10年バンクーバー五輪、14年ソチ五輪と500mを連覇し、地元韓国では「氷速女帝」と呼ばれる金メダリスト&世界記録保持者。今季のW杯でも小平に次ぐ2位が5回ある。

 無気味なのは、シーズン途中から小平と同じタイプのブレード(スケート靴の刃)に替えて、タイム差を詰めてきていることだ。従来よりブレードがわずかに靴の前方に取り付けられ、氷との接触時間が長くなる利点があるという。小平もこのブレードに替えてから、急速に記録を伸ばした。

 2人めがバネッサ・ヘルツォーク(オーストリア)。1000mで5位に入った22歳の若手スケーター。前評判は高くないが、1000mのレースにおける600m通過ラップは小平に次ぐ2位。小平の出場しなかったW杯500mで優勝経験がある。

 最後がヨリン・テルモルス(オランダ)。1000mで五輪記録を出して日本勢の前に立ちはだかったあの選手。本来は1000mと1500mが得意で、500mの実績は恐れるに足らずも、オランダというだけで恐い。

 日本の郷亜里砂は今季のW杯で3位が4回。一時は記録が伸び悩み、所属先も転々としたが、ナショナルチームに加わって開花。30歳で五輪初出場を果たした。

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田端 到

たばた いたる

1962年生まれ。週刊誌記者を経てフリーのライターに。競馬、野球を中心に著書多数。趣味は五輪競技アスリートのSNSを観察すること。卓球は17年アジア選手権と18年グランドファイナルを現地観戦。


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