戌年に因み銚子電鉄に乗って犬吠埼へ | BEST TiMESコラム

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戌年に因み銚子電鉄に乗って犬吠埼へ

1日乗車券で小さな旅路

  戌年ということで千葉県の東端に位置する犬吠埼へ行ってきた。東京駅発の特急「しおさい」に乗り、銚子駅からは銚子電鉄の小さな旅だ。車掌さんから「弧廻手形」という1日乗車券を購入すると、電車はごとごとと動き出した。

銚子駅から銚子電鉄に乗車

 かつて京王電鉄で働いていた車両で、濃紺と水色の塗り分けがすがすがしい。冬とは言え、寒々とした感じはしない。平日の昼下がりだったので、車内は空いていた。電車は各駅に律儀に停まっていく。観音駅を出て本銚子駅までは小高い丘陵の中腹を走る。銚子の街並みが広がり、その遥か先に僅かだけ海が見えた。
 本銚子駅は、「もとちょうし」と読むのだが、「ほんちょうし」と読み替え、銚子行きの電車は上りとなるので「上り調子」と景気付けをしている。「ほんちょうし、のぼりちょうし」と縁起が良いため、合格祈願の記念きっぷを作り、この駅のPRに努めているのだ。築90年以上の駅舎というか待合室は、少し前にテレビ番組の企画でリフォームされ、きれいになっていた。待合室の中のステンドグラスがきらきら輝き、見とれてしまう。

リニューアルされた本銚子駅

 その後は、のどかに進み、林の向うに犬吠埼灯台の頭が見えると犬吠駅に到着。すぐに降りるはずだったが、1日乗車券を買っていたので、あえて一駅乗り過ごし終点の外川駅まで行ってみた。古風な木造駅舎は健在で変わらなかったが、ホームの先端に留置してあった保存車両デハ801が見違えるようにピカピカになっていた。車内も開放され見学できる。レトロな車内に入るとタイムスリップしたような気になるから不思議だ。

外川駅に展示中のデハ801
 
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野田 隆

のだ たかし

日本旅行作家協会 理事

1952年名古屋生まれ。日本旅行作家協会理事。早稲田大学大学院修了。 蒸気機関車D51を見て育った生まれつきの鉄道ファン。国内はもとよりヨーロッパの鉄道の旅に関する著書多数。著書に『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている~鉄道旅行再発見』(平凡社新書)『定年からの鉄道旅行のススメ』 (洋泉社新書) 『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)『愛知県 駅と路線の謎』(洋泉社新書y)など。



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