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戌年に因み銚子電鉄に乗って犬吠埼へ

1日乗車券で小さな旅路

 高浜虚子のほか、詩人で小説家の佐藤春夫の「犬吠岬旅情のうた」という詩碑もある。千葉県内では文学碑の多いことでは有数の場所とのこと。ひろびろとした太平洋と崖の下の岩礁を見ていると、創作意欲が湧いてくるのであろう。それだけ魅力的な景勝地なのである。

犬吠埼の情景

 駅に戻ると、電車の発車時間までずいぶんあったので、駅舎内にあった写真家中井精也氏のギャラリーをのぞいてみた。入場料は150円。改札口で入場券を買って入ることになっている。鉄道写真と言うと、カチッとしたマニアックな鉄道車両写真を想像する人が多いだろうが、中井氏の写真は、本人が「ゆる鉄」というように、ほのぼのとしたのどかな鉄道情景がメインである。車内やホームでのんびり過ごす人の笑顔やゆっくりと流れる時間の中で過ぎていく日常の風景など、広い意味での鉄道写真だが、実に好感のもてるギャラリーだ。これが銚子電鉄の駅にあるのはよくよく考えてのことであろう。ローカル線をテーマにした大きな鉄道模型のジオラマもあり、大いに楽しむことができた。

中井精也ギャラリー

 ふらっと出かけた犬吠埼。文学にムードあるギャラリー、そしてゆったりした銚子電鉄と心地よい半日だった。

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