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増加傾向にある中学受験者数 学歴社会から抜け出せない親たちの心の内

知ったかぶりでは許されない「学校のリアル」 第13回

◆中学受験は小学3年生から準備が必要?

 小学生にも「受験」が大きなテーマとなってきている。私立中学や公立中高一貫校は入学試験による選抜があるため、いわゆる「中学受験」が入学の前提となっている。その中学受験を勝ち抜くためには、「小学4年生では遅すぎ、3年生からの学習塾通いが常識になってきている」(中学受験生をもつ都内在住の母親)という状況らしい。

 しかも首都圏では、中学受験者数が増加傾向にあるという。昨年、2017年の首都圏入試の受験者数は2016年より2.0%減少したものの、人口減少を考慮した実質では1.64%の増加となった。この傾向は2018年も続いており、4年連続での増加となりそうだ。

 進学問題となると小学生の場合、本人の意思よりも保護者の意向のほうに決定権があるといっていい。子どもが中学受験を希望しても、学資の問題もあって親の了解が得られなければ現実的に無理だからだ。

 
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前屋 毅

まえや つよし

フリージャーナリスト。1954年、鹿児島県生まれ。法政大学卒業。『週刊ポスト』記者などを経てフリーに。教育問題と経済問題をテーマにしている。最新刊は『ほんとうの教育をとりもどす』(共栄書房)、『ブラック化する学校』(青春新書)、その他に『学校が学習塾にのみこまれる日』『シェア神話の崩壊』『グローバルスタンダードという妖怪』『日本の小さな大企業』などがある。


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