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iPhoneの動作遅延。もしジョブズがいれば…

アップルはジョブズが持っていた「ユーザー視点」を取り戻せるか

■今こそ思い出したい、ジョブズの徹底的なユーザー視点

 ジョブズのものづくりの根底にあるのは「自分たちが心の底から使いたいものをつくる」です。アップルⅡでは10歳で初めてコンピュータに触れた自分を思い出し、「プログラミングくらいちょっとやってみたい」人のための使いやすいコンピュータを目指し、マッキントッシュでは「自分たち自身が欲しい製品」を目指しています。それはiPоdの時もiPhоneの時も同様で、「自分ならどうすればこの製品を使う気になるか」「自分たちが使いたいと思う電話をつくろう」がコンセプトになっています。

 そこにあるのは徹底した「ユーザー視点」であり、「優れた製品がすべて」という考え方です。株式市場において企業は売上や利益で評価されますが、売上げをもたらすのは製品であり、その製品を買ってくれる一人一人のユーザーであること、そしてもし製品やユーザーよりも金儲けを優先させたなら企業は失速するということをよく知っていたからこそジョブズはユーザーが心の底から欲しいと思う製品づくりを目指し、数々の革命によってアップルを世界屈指の企業へと成長させることができたのです。

参考文献 『スティーブ・ジョブズ偶像復活』(ジェフリー・S・ヤング、ウィリアム・L・サイモン著、井口耕二訳、東洋経済新報社)、『スティーブ・ジョブズ』Ⅱ(ウォルター・アイザックソン著、井口耕二訳、講談社)、『ジョブズ・ウェイ』(ジェイ・エリオット、ウィリアム・L・サイモン著、中山宥訳、ソフトバンククリエイティブ)、『iPоdは何を変えたのか?』(スティーヴン・レヴィ著、上浦倫人訳、ソフトバンククリエイティブ)

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桑原 晃弥

くわばら てるや

1956年広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。業界紙記者、不動産会社、採用コンサルタント会社を経て独立。人材採用で実績を積んだ後、トヨタ生産方式の実践と普及で有名なカルマン株式会社の顧問として、『「トヨタ流」自分を伸ばす仕事術』(成美文庫)、『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』(PHP新書)などの制作を主導した。著書に『スティーブ・ジョブズ名語録』(PHP文庫)、『ウォーレン・バフェット成功の名語録』(PHPビジネス新書)、『伝説の7大投資家』(角川新書)、『トヨタのPDCA+F』(大和出版)など。バフェット関連書籍多数。


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