住んでいる場所で人の運命や人生は決まる |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

住んでいる場所で人の運命や人生は決まる

世界はフラット化できない。

インターネットによって海外の人が発する情報はすぐに手に入れることができるようになり、世界は小さくなったと言われて久しい。英語のサイトはすぐに見つかるし、ニュースも直接サイトで確認することができる。つまりは、これで世界はフラットになったということだが、果たしてそれは本当なのか。どうしてもインターネットでは超えられない長い橋があるのではないか。それを認識しない限り、世界は未来を手にすることはできない。

愛車生活はグローバルにならない

 私はクルマが好きだが、どうしても超えられないジレンマがある。クルマが好きだからクルマを購入するが、そのクルマで運転できるのは、日本国内だけだ。世界中を同じ愛車で走りたいと思っても、基本的には走ることができない。私が冒険家で、確固たる意思を持って、その冒険にすべてを捧げるなら別だ。

 しかし、東京で仕事をして、たまの休暇にクルマで旅行するという使い方をする場合に、私はクルマで国の外を出ることはできない。もし海外でクルマを使う場合はレンタカーだし、自分の馴染んだクルマを選ぶことはできないのだ。一方で、アメリカ大陸でクルマを購入した人は、アルゼンチンまで行ける。アラスカまで行ける。ヨーロッパの人はシェンゲン条約の国々であれば、気軽に国境を愛車で越えることができる。これは、大陸に生まれた人と島国に生まれた人の大きな差であると思う。

 もし将来、九州と韓国が橋で繋がり、北海道とサハリン、さらに大陸が結ばれたら、事情は変わる。しかし、それが行われない以上、これは運命なのだ。私には変えられない運命。 

 
次のページやっぱり世界とは距離がある

KEYWORDS:

オススメ記事

沼畑 直樹

ぬまはた なおき

ミニマリスト。テーブルマガジンズ代表。元バックパッカー。

2013年、「ミニマリズム」「ミニマリスト」についての記事を発表し、佐々木典士氏とともにブログサイト≪ミニマル&イズム(minimalism.jp)≫をたち上げる。 著書は、小説『ハテナシ』、写真集『ジヴェリ』『パールロード』(Rem York Maash Haas名義)など。


この著者の記事一覧