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「校長のパワハラ」でうつ病になる教員

知ったかぶりでは許されない「学校のリアル」 第12回

◆絶対的権力……学校における「校長」の存在

 校長といえば、学校で絶対的な存在である。「新しい試みでも、校長の鶴の一声で可能になります」と、ある中学の教員が言った。下っ端の教員がいくら素晴らしい提案をしたところで、校長が賛成しなければ絶対に実践することはできない。しかし多くの教員が反対でも、校長が「やる」と決めたら、やらざるをえない。それが学校なのだ。

 それほど大きな権力をもっている校長なのだが、誰もが「人格者」というわけではない。人格的に問題のある人物が大きな権力をもてば、必然的に起きるのがパワーハラスメント(パワハラ)の問題である。
 そのパワハラが原因で、うつ病など精神疾患を患っている教員は少なくないという。教員の精神疾患の要因としては子どもたちの問題やモンスターペアレンツに代表される保護者にある、と考えられがちだ。しかし現場の声を聞いてみると、意外にも学校という組織そのものにこそ大きな要因がありそうなのだ。

 精神疾患を理由に病気休職している公立学校の教員は、文部科学省(文科省)の調査でも2015年度で全国に5009人いた。3年連続で5000人を超えているという実態で、深刻な状況であることがうかがえる。
 これは病気休職している数であり、精神疾患を抱えながらも学校での勤務を続けている教員も少なくない。「そういう教員は普通の勤務ができているわけではなく、休みがちになります。休めば、ほかの教員に負担がかかってくるわけです」と、最近、東京都内の学校を中途退職した元教員はいう。

 
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前屋 毅

まえや つよし

フリージャーナリスト。1954年、鹿児島県生まれ。法政大学卒業。『週刊ポスト』記者などを経てフリーに。教育問題と経済問題をテーマにしている。最新刊は『ほんとうの教育をとりもどす』(共栄書房)、『ブラック化する学校』(青春新書)、その他に『学校が学習塾にのみこまれる日』『シェア神話の崩壊』『グローバルスタンダードという妖怪』『日本の小さな大企業』などがある。


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