【榎本武揚、箱館戦争における最大の誤算】 | BEST TiMESコラム

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榎本武揚、箱館戦争における最大の誤算

「戊辰戦争」と 舞台になった 「城」を辿る

◆五稜郭の致命的弱点

 9月25日、榎本海軍は新政府軍の支配下にあった箱館を占領する。西洋式の戦争に備えて造られた西洋式の要塞である五稜郭を接収した榎本、大鳥、土方らは、“蝦夷地領有”目指して松前、江差など各地を転戦、次々に勝利する。さらに、蝦夷地に定着することを目的に、1869年2月には、西洋農法による七重村(七飯町)の土地開発をプロイセン人と契約している。

 1869年3月25日、榎本海軍は盛岡藩の宮古に集結した新政府海軍を襲撃し、これを拿捕しようたが、失敗し、退却する。
「フランス式に、接舷して一気に乗り込んで敵船を制圧するつもりだったが、外輪が邪魔したんだ」と、星さん。艦高の差もあった。

「榎本たちの一番の誤算は、五稜郭が海に近かったことだろうね。新政府軍の軍艦から撃つアームストロング砲の弾が届いてしまう」。
 星さんは残念そうな顔をした。
 組織的な抵抗は箱館戦争で止んだ。戊辰戦争は終わった。

〈雑誌『一個人』2017年12月号より構成〉

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星 亮一

ほし りょういち

1935年仙台市生まれ。東北大学文学部国史学科卒業、日本大学大学院総合情報研究科修了。日本近代史専攻。『敗者の維新史』『会津落城』(中公新書)、『会津戦争全史』(講談社)、『呪われた明治維新』(さくら舎)など多数。


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