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札幌市電で沿線の町を気ままに散策

札幌市電の完乗達成と沿線散策

 ポラリスには今回乗る機会がなかったけれど、3年前に乗車している。そのときは、途中下車した電車事業所前電停から中島公園通電停まで利用した。車内は3車体連接のうち、両端の車両がクロスシートでしかも窓が大きく、展望車両みたいだった。乗った区間は、それほど観光名所でもなく、どちらかというと札幌市内でも地味な地域かと思うが、知らない街並みを走ったので興味深く乗車できた。 

ポラリスの車内

 中島公園通電停で降りて、中島公園に向かう。公園内には、札幌のコンサートホールとして有名なKitaraがあった。とくに予定があったわけではなく、ふらりと訪問したのだが、その日の夜はコンサートがなく閑散としていた。 

札幌のコンサートホールKitara

 電停へ戻ろうとしたら、公園出口の小さな道に面して瀟洒な白い建物が目に入った。近寄ってみると渡辺淳一文学館。札幌にあるとは聞いていたが、ここにあるとは知らなかった。少しだけ覗いてみようと、300円の入館料金を払って中へ入ってみた。

 あの有名な「失楽園」だか「愛の流刑地」だったかは記憶に残っていないけれど、渡辺先生が得意とする「濡れ場シーン」の生原稿が展示されていて、読んでいるだけで恥ずかしくなるようだ。その一方で、渡辺先生と錚々たる女優さんたちとのツーショット写真も多数陳列してあり、にやけた表情の先生が印象的だった。それよりもこの文学館一階の喫茶コーナーは穴場的スポットだと思う。書棚に囲まれ、お茶を飲みながら静かなひとときを過ごすことができるのだ。札幌市内散策に疲れたら休憩するにふさわしい場所のひとつであろう。

渡辺淳一文学館の喫茶コーナー

 時間の都合で、ロープウェイ入口電停で下車して藻岩山山頂に行くことができなかった。ある意味、市電に乗って観光するなら、一番に行くべきスポットである。次回は、時間をつくって山頂からの景色を楽しみたいものだ。

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野田 隆

のだ たかし

日本旅行作家協会 理事

1952年名古屋生まれ。日本旅行作家協会理事。早稲田大学大学院修了。 蒸気機関車D51を見て育った生まれつきの鉄道ファン。国内はもとよりヨーロッパの鉄道の旅に関する著書多数。著書に『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている~鉄道旅行再発見』(平凡社新書)『定年からの鉄道旅行のススメ』 (洋泉社新書) 『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)『愛知県 駅と路線の謎』(洋泉社新書y)など。



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