「鬱とそうでない状態。明確なラインは存在しない」鬱のトンネルを抜けた漫画家が語る。 | BEST TiMESコラム

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「鬱とそうでない状態。明確なラインは存在しない」鬱のトンネルを抜けた漫画家が語る。

Q4.現在、鬱ではない人に知っておいてもらいたいことはありますか?

日本人の約16%が経験しているという鬱病。鬱病は特別な人だけのものではなく誰だって罹る可能性があるものだ。自身も鬱病を患い快復した経験をもち、同じく経験者たちにインタビューを重ねた漫画『うつヌケ』を書いた田中圭一氏は誰しも鬱病になる可能性がある、と語る。

誰だって気づかないうちにトンネルに入る可能性が

――鬱ではない方に伝えたいことはありますか。

 

 現時点で鬱に縁がない人も世の中にはたくさんいるとは思いますが、例えば自分を嫌いになるとか、そういった鬱を引き起こしそうな気持にならないよう気を付けてほしいですね。ややもすれば、自分を責めてしまう人って多いのではないでしょうか。

 そうした傾向も度が過ぎてしまうと、鬱になる可能性だって大いにありえます。自分を褒める、認める、好きになるというのは心に対する栄養素みたいなものですから、それを時々与えてあげないとまずいですよね。

――少なからず、予備軍となる人はたくさんいるということですよね。

 可能性は大いにあります。『うつヌケ』では、鬱をトンネルに例えて表現していますが、「ここが入り口」「ここから先がトンネル」といった明確なラインは存在せず、その境界がグラデーションのようになっているんですよ。

 だから、そこに立っているのは半分鬱になりかかっている人や三分の一なりかかっている人もいますし、誰だって気づかないうちにトンネルに足を踏み入れてしまう可能性があるのです。特に男性は自分を鬱だと認めたがらない。「鬱って布団から出られないんでしょ? でも、俺はちゃんと会社にいっているよ」と。鬱は“心のがん”ですから、認めたくはないのですよ。それはわからなくもありません。

 でも、重度になって電車に飛び込む前に早く認めてしまったほうがいい。早い段階で医者に診てもらって薬をもらったほうが、効果も出やすくなりますから。

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田中 圭一

たなか けいいち

1962年5月4日大阪府枚方市生まれ。近畿大学法学部卒業。大学在学中の1983年小池一男劇画村塾(神戸校)に第一期生として入学。翌1984年、『ミスターカワード』(『コミック劇画村塾』掲載)で漫画家デビュー。1986年開始の『ドクター秩父山』(『コミック劇画村塾』連載)がアニメ化されるなどの人気を得る。大学卒業後はおもちゃ会社に就職。パロディを主に題材とした同人誌も創作。2017年1月に刊行した『うつヌケ うつトンネルを抜けたひとたち』(KADOKAWA)がベストセラーに。他にも『イかれポンチ』(ベストセラーズ)など。


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