明暗が別れた2作

――ネット上の反響とリアル本の販売数がリンクしていないということですか。

 同時期に並行してもう一本連載を持っていました。それは漫画家の息子さんにインタビューする『ペンと箸』という作品で、ぐるなびの漫画サイトに無料で掲載されていたんですね。そちらは30万人が読んでいましたし、反響もそれなりにあって、「単行本化されたら売れまっせ」といってくる編集さんもいたんですよね。

 でも僕はちょっと懐疑的というか、ネットの中心層が好きな90年代ジャンプを支えたマンガ家さんをフォローできていなかったし、無料で読めるし…。本当に売れるのだろうかと。ちょうど、『うつヌケ』と同時に単行本化されることになって、漫画仲間はみんな『ペンと箸』が好きですから、下馬評としては、本命『ペンと箸』みたいに予想されていたのですが、いざふたを開けてみたら、『うつヌケ』が33万部、かたや『ペンと箸』が1万部と、こんなに差がつくとは思いませんでしたね。
【第一回はこちら:「大ベストセラー『うつヌケ』作者に聞く。ギャグ漫画家が“鬱”をテーマに選んだワケ」