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【街金は見た!】借金バンザイのぼくに待っていた「奴隷生活」という代償!!——多重債務者の現実

【多重債務の現実】ぼくと街金②

 ■理不尽な日々、耐え難きを耐え

 ある夜、おじさんから電話があり
 「急いで迎えに来い!」
 金融車に乗って迎えに行くと、
 「中洲まで急がんかいっ!」
 いきなり怒鳴るんです。福岡に来て数週間の僕に向かって、しかもカーナビはカクカク動く時代だったのに。

 後部座席でイライラするおじさん。
 渋滞にはまると、
 「ソコ! 逆走して突っ込んで右曲がれ!」と無茶なナビするんです。
 逆走して事故ったら東京に帰れるかもとひらめき、逆走を試みると、
「殺す気かっ!」と怒鳴られる。
 理不尽な日々、耐え難きを耐え、です。

 おじさんには幼稚園に通う子ども(♂)がいて、これまたクソガキで、おじさんの真似をして
 「はやくいけっ!」と運転席を後ろから蹴りやがるんです。
 おじさんが同乗してるときはガン無視を貫き、クソガキだけ乗せてるときは急ブレーキ急ハンドルしたりしてストレスを解消してました。

 そんな福岡闇金生活で最悪のイベントが「支店対抗野球大会」。
 金貸し各店がトーナメント方式で戦います。
 各試合の敗者は、勝者との点差×1万円を勝者に払い、優勝チームが総取りのルールです。
 素人の野球なので、経験者人数の差でおそろしく点差が開きます。

 コールド勝ちがなくギブアップ制、敗者の社長が勝者の社長に土下座して、
「お会計お願いします」
でギブアップが成立という屈辱ルールも各社の燃料になってるわけです。

 おじさんの会社の従業員の中にも野球経験者がちらほらいましたが、王様率いる統括部チームのメンツは別格、資本の力を見せつけてきました。
 甲子園経験者複数、福岡球団の2軍にいた人まで、従業員じゃないメンバーが何人もいるんです。
 誰も文句言えません、王様ですから。
 
 もう草野球のレベルじゃありません。ピッチャーの投げるボールが見えません。すごく曲がるし、すごく落ちます。
 清原が投げたバットみたいにくるくる回って飛ぶバット、両軍ベンチからの怒号、お会計で投げつけられる一万円札。
 当然、王様のチームがぶっちぎりで優勝し、総取りした現金をキャバクラでばら撒いてました。

 野球大会が終わってすぐ、王様からお呼びがかかりました。
 「おまえ、あんちゃんの会社で働かん?」
(次回につづく) 

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金融業

20代より金融業に携わる。福岡と東京で修行し、現在、池袋で金融業(街金)を経営。この道20年を超えるベテランで、自分が金融業に入るきっかけを書いた自叙伝『ぼくと街金』(note)が好評を博す。Twitterアカウント:@tetukuruixi


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  • 2019.08.02