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「ソクラテスの死」が後世に与えた影響「天才? 変人?あの哲学者はどんな「日常」を送ったのか~ソクラテス編」

ソクラテス<下>ソクラテスの死・前編

いまも語り継がれる哲学者たちの言葉。自分たちには遠く及ぶことのない天才……そんなイメージがある。そんな「哲学者」はいかに生き、どのような日常を過ごしたのか?

紀元前469年頃 – 紀元前399年4月27日。

「ソクラテスの死」が後世に与えた影響

 「ソクラテスの死」という出来事がなければ、世界は今と全く別物になっていただろう。 

 プラトンは、ソクラテスが死に際して残した言葉や態度に触れたことをきっかけにたくさんの哲学書を書き記すようになった。

「西洋哲学は全てプラトンへの注釈に過ぎない」という言葉があるほど、プラトンが書いた書物は哲学の基礎となっている。

 もし、ソクラテスが何事もなく寿命を迎えるまで生きていたとしたら、プラトンも哲学の書物を書かなかったかもしれない。プラトンの哲学書がなければ、西洋の哲学そのものが存在しなかったのではないだろうか。

 自然科学はもともと自然哲学と呼ばれていた。だから、哲学がなければ、科学もなかったことになる。

 

 西洋の学問体系の基礎を作ったのはプラトンの弟子アリストテレスであるが、アリストテレスがプラトンから学ぶ機会を得ていなければ、西洋の様々な学問も生まれなかったかもしれない。

 すると、ギリシアで生まれた合理的思考を受け継いだ近代化も成し遂げられなかっただろう。西洋の近代化がなければ、東洋や他の地域との力関係も大きく変わっていたはずだ。

 それほど、ソクラテスの死は世界の歴史に大きな影響を与えた出来事なのである。

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大賀 祐樹

おおが ゆうき

1980年生まれ。博士(学術)。専門は思想史。

著書に『リチャード・ローティ 1931-2007 リベラル・アイロニストの思想』(藤原書店)、『希望の思想 プラグマティズム入門』 (筑摩選書) がある。


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