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【緊急報道】「国家安全法」で香港はどうなる!? 超厳戒体制下のデモ最前線で見た混乱の極み

顔面を胡椒スプレーが直撃!記者が見た国家暴力の真実


 香港はどうなるのか!? 本当にヤバいのか!? そのヤバさはどれほどのものなのか!? 香港に滞在する日本人記者が日々目にする驚愕の真実への取材を敢行。外国人といえども容赦ない中国当局の取締りのなか身をもって知った事実をカメラに押さえ、安穏と暮らす私たちの日常へ警鐘を鳴らすレポートを綴った。 
 自由と民主主義。言葉にすればたった7文字でスルーできる日本とは異なり、今、香港では「一国一制度」へ向け、自由と民主主義が地滑り的に破壊されている。人々の生存を脅かしかねない「香港国家安全維持法」とは何か、肌感覚で香港の現在(いま)の危機をお届けする。
 ぜひ日本の皆さんに知ってほしい香港の民衆の思いを!
 「我哋真係好撚鍾意香港。意味はこうだ。
 I really fucking love HK 俺たちは本当に香港がメチャクチャ好きなんだ‼️


◼︎「香港国家安全維持法」の施行で一国二制度が終焉を迎えた

警察に野次を飛ばしいきなり拘束されたデモ参加者

  5月21日、中国の全国人民代表大会開催を前に突然発表された「香港国家安全維持法」(以下、香港国安法)の香港への直接導入は、昨年6月から香港で続くデモの参加者はもちろん香港市民をも震撼させるものだった。その詳細は6月30日の中国の全人代常務委員会で可決後、即日施行され、やっと全文が明らかにされた。

 国家安全法で裁かれるのは(1)国家の分裂(2)国家政権の転覆(3)外国または域外勢力との結託による国家安全危害(4)テロ行為と活動の4つの犯罪行為だと記されている。

 特に(3)の外国または域外勢力との結託による罪に対しては10年以上の懲役、最高で無期懲役も課せられる。

 これは昨年11月、香港デモが長期化する中、アメリカ議会で、香港の人権と民主を圧迫する政府関係者に米国入国拒否・資産凍結などの制裁を課す「香港人権・民主主義法」が採決されるのに雨傘運動のリーダーのジョシュア・ウォン氏らの強い働きかけがあった。民主運動の女神と言われ、日本でも知られるアグネス・チョウさんらによる海外への発信が国際世論を喚起し、中国政府がデモの封じ込めに失敗した大きな原因といわれるからだ。そのため外国メディアやNPO、民主団体への規制も意図しているとみられる。

 中でも第38条では中国国家を批判し、分裂を意図した者は外国人であっても取り締まりの対象となる、と記されている。例えば日本のSNSで習近平政権の批判を書き込んだとして国家分裂を意図したとされれば、香港や中国に入国したら外国人でも逮捕される可能性が出てくる。

 さらに第65条には「この法律の解釈権は中国の全国人民代表大会常務委員会に帰属する」と、記されており、要は中国政府の解釈で、いかようにも罪に問うことができるといえる。

 さらに中央政府により香港に国家安全維持公署(国安公署)が設置される。国安公署は国家安全犯罪を法に基づき処理すると規定され、香港の要請と中央政府の承認を得て管轄権を行使し、中国当局が香港において法執行を行なうことができる。加えて香港の憲法である香港基本法よりも優先されるとされ、事実上の一国二制度の崩壊を意味する。

 この常軌を逸した香港国家安全維持法は毎年7月1日に行なわれ、昨年は55万人が参加した香港返還記念日のデモを前に即日、施行された。

 それに加え、香港政府はコロナウイルス感染拡大防止を口実に3月から市民の公共の場での9人以上の集まりを禁止した集会制限法(限聚令)を公布(現場は51人以上の集まりを禁止)。4月末にコロナウイルスの拡大が終息し連日感染者0人の日が続いていても、延長を繰り返し、遂には7月16日までの再延長を決めた。この法律を名目に5月より再開したデモの現場で警察は、参加者数百人に罰金2000HKDを課し、デモの抑え込みに利用してきた。

 もはや香港政府がデモを許可する可能性は無くなった。そんな今までにない危険の中で強行されるデモの現場に足を運ぶことにした。

次のページ目の前でいきなり武装警官による逮捕で緊張が走る

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