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「❶飛沫❷接触❸空気」感染を理解して感染経路を防御する【岩田健太郎教授・感染症から命を守る講義⑬】

命を守る講義⑫「新型コロナウイルスの真実」

新型コロナウイルスは空気感染の可能性は低い。麻疹(ましん・はしか)は空気感染する。しかも防げない

◼️空気感染とは何か

空気感染とはどういう現象か説明しましょう。

とても小さい飛沫、水しぶきは重力で落ちてこなくなります。これを飛沫核といいますが、そうすると5メートルでも10メートルでも飛んでいってしまうので、こうなると感染経路もへったくれもなくなりますから、ヤバいですね。

空気感染する病気の代表格が麻疹(ましん、はしか)で、麻疹のウイルスは何十メートル何百メートルの飛距離を飛んでいきます。だから麻疹はブロックが難しい、ほぼブロック不可能といっていいでしょう。

いま日本国内に麻疹はありませんが、時々東南アジアなどから感染者がやって来ます。2019年にも、大阪の商業ビル「あべのハルカス」で麻疹の感染者が出ました。

そうなると、例えば咳で飛沫が発生したときに重力で落ちませんから、ビルの中が麻疹ウイルスだらけになって感染がどんどん拡がっていく。これをブロックする効果的な方法は、ほとんどありません。

感染経路をブロックする方法がない感染症にできることは何かというと、ワクチンを打つことです。だから、麻疹対策はワクチンしかないことになります。
ウイルスそのものをブロックする手段はない。水際対策はできないし、検疫所でもブロックできない。近くに感染者がいた場合、体内にウイルスが入ることは防げません。

ならば感染そのものを防御する免疫をつけることで感染症を防ぐ。とにかく、麻疹ウイルスの感染を防御する方法は、ほぼないということです。

「新型コロナウイルスの真実⑭ 」へつづく)


【注】本書『新型コロナウイルスの真実』は現在、発売即4刷となりましたが、書店の休業などで「お手元に届かない」との多くの皆さまからお問い合わせが入っております。最新刊でありますが、本書の第1章と第2章を「全文再編」連載という形で、皆様にお届けいたします。著者・岩田健太郎先生のご厚意により、最適な感染症対策への一助となるように専門家として何度もお読みいただけるようにとご配慮いただきました。皆様やご家族、多くの方々の安全を祈念申し上げます。なお全国の書店で配本されていますが、くれぐれも「外出」の際は感染経路と感染の知識を踏まえ、ご行動されることを衷心よりお願い申し上げます。


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発売即重版4刷
『新型コロナウイルスの真実』
岩田健太郎医師・著

 

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岩田 健太郎

いわた けんたろう

1971年、島根県生まれ。神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授。神戸大学都市安全研究センター教授。NYで炭疽菌テロ、北京でSARS流行時の臨床を経験。日本では亀田総合病院(千葉県)で、感染症内科部長、同総合診療・感染症科部長を歴任。著書に『予防接種は「効く」のか?』『1秒もムダに生きない』(ともに光文社新書)、『「患者様」が医療を壊す』(新潮選書)、『主体性は数えられるか』(筑摩選書)など多数。


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