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「伊藤」と「伊東」、そのルーツは一緒?

全国名字ランキングBEST10のルーツを解説! 第6位「伊藤」さん

 

伊勢に移り住んだ藤原氏が主なルーツ

「伊藤」も佐藤同様、姓は藤原。藤原秀郷の子孫、尾藤基景(もとかげ)が平安時代に伊勢守となり伊勢に移ったのが発端だ。
『保元物語』には平清盛に従う軍勢の中に、伊勢国の古市伊藤武者・景綱(かげつな)、同伊藤五忠清(ただきよ)、伊藤六忠直(ただなお)の名が見える。

「伊勢に住み伊藤を名乗った伊藤一族はその後武士となって全国に広がりました。藤原氏の慣習で彼らは移動しても名字を変えず、東海地方や東北などを中心に勢力を伸ばしました。ですが、やはり伊藤の名字は現在も三重県が断トツで1位です」と、姓氏研究家の森岡浩さんは『一個人』4月号の中で話す。

 一方、藤原南家為憲(ためのり)の子孫である工藤維職(これもと)は、「伊豆国の工藤」を略して伊藤と称した。維職は伊藤七郷を開発し、荘園に発展させ、祐親(すけちか)の代に河津荘から伊藤荘に移って伊東氏を称した。

 また、家紋については、「伊勢に住んだ伊藤の家紋は藤原氏の象徴、下がり藤が多い。一方伊豆で名乗りを上げた伊藤もあり、こちらは庵に木瓜が中心です」と、家紋研究会会長の高澤等さんは解説する。

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(監修)

名字監修 
森岡浩さん
1961年高知県生まれ。姓氏研究家。早稲田大学政治経済学部卒業。文献だけにとらわれない実証的な研究を続ける。著書に『なんでもわかる日本人の名字』(朝日新聞出版)、『全国名字大辞典』(東京堂出版)など。

​家紋監修
高澤等さん
1959年埼玉県生まれ。日本家紋研究会会長、家系研究協議会理事。全国各地の家紋の収集や統計的な研究を続ける。著書に『家紋の事典』『苗字から引く家紋の事典』(ともに東京堂出版)など。
 

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