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戦国時代の問題児・伊達政宗。全身傷だらけだった衝撃の理由 

戦国武将の男色事情【前篇】

武田信玄や伊達政宗は美少年にラブレターを送っていた⁉ 洋の東西問わず、戦乱の世に必ず栄えた少年愛。歴史を変えた、時の権力者と少年の関係を赤裸々に描いた書籍『なぜ闘う男は少年が好きなのか』より、大人気武将、伊達政宗の知られざる姿をご紹介します!
 

 

問題児だった独眼竜政宗

 2016年度NHK大河ドラマ「真田丸」。堺雅人、草刈正雄、小日向文世など名優たちの名演、怪演もあって、とにかく好評でした。五十四年の歴史を誇るNHK大河の頂点に立ってほしいものですが、その前には厚い壁が立ちはだかっています。

 それが、1987年度放送の「独眼竜政宗」。脂ののったジェームズ三木の脚本、勝新太郎などベテラン陣の重厚な存在感、そして主演をつとめる渡辺謙の荒削りで体当たりの演技の新鮮さ。三つの歯車ががっちりかみ合い、バブル景気に沸く世相にも乗って、平均視聴率37.9%という大記録を打ち立てました。

 特に、当時まだ28歳だった渡辺謙は、精悍さのなかに危うさを秘め、どうにも危なっかしい英雄だった伊達政宗を演じるにはぴったりでした。

 この「独眼竜政宗」の主人公、伊達政宗。今でも人気は絶大で、よくアニメやゲームになっていますが、実際の人物像は屈折したへそ曲がり。残念ながら、渡辺謙が演じたような、快男児では決してありませんでした。

 彼がやらかしたことを列挙すると、

◆豊臣秀吉の惣無事令を無視して会津の蘆名氏を攻め滅ぼし、おまけに召集された小田原の陣にもきっちり遅刻
↑秀吉からめちゃくちゃ怒られ、会津領を没収される

◆取り上げられた会津を代わりに任された蒲生氏郷に一揆をけしかける
↑秀吉からめちゃくちゃ怒られ、国替えされる

◆関ケ原の戦いのとき、徳川家康に味方しますと言っておきながら、同じ東軍の南部信直にまたまた一揆をけしかける
↑家康からめちゃくちゃ怒られ、百万石のお墨付きを反故にされる

 などなど、彼は生涯を通じて、(1)余計なことを思いつく、(2)いらんことをする、(3)めちゃくちゃ怒られる、を繰り返した人でした。

 ちなみに、2015年8月13日には、栃木県立博物館が、政宗にまつわる新しい書状を発見。なんと、小田原攻めだけでなく、その後の宇都宮仕置きにも政宗が遅参していたことが判明しています。

 宇都宮仕置きは、北条氏を滅ぼした後、関東・奥羽地方の統治の総仕上げを行うためのもので、政宗はその先導役でした。天下統一の大事業全体が遅れることになるので、普通だったら、一発で首が飛ぶ失態なのですが、「まぁ、政宗だったら仕方ないか」という空気が、秀吉にはあったのか、このときも何故か助かっています。

 どうも政宗はヘマもするんですが、謝るのも上手だったんですね。小田原遅参のときは、死に装束で土下座、蒲生氏郷に一揆をけしかけた件がばれたときは、金箔の十字架を押し立てるという方法で、派手好みだった秀吉の心をつかんでいます。

 しかし、三つ子の魂は百までというか、1613(慶長13)年、52歳の分別盛りのときも盛大にやらかし、平身低頭で謝罪する羽目に陥りました。しかも、このときの相手は、只野作十郎という美少年だったのです。

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黒澤 はゆま

くろさわ はゆま

1979年、宮崎生まれ。大阪在住。システムエンジニアの仕事のかたわら、小説教室「玄月の窟」で修業。エージェントに才能を見出され、2013年に歴史小説家としてデビュー。



著作に『劉邦の宦官』(双葉社)、『九度山秘録: 信玄、昌幸、そして稚児』(河出書房新社)。現在、webマガジンcakesで男色がテーマの「なぜ闘う男は少年が好きなのか?」、ウートピにて女性をテーマにした歴史コラムを連載中。



愛するものはお酒と路地の猫。


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