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ドルトムント、シャルケ取材で見た「レジェンド」の影

ドルトムント・香川、シャルケ04内田。取材でみえたもの

シャルケにもあるレジェンドの存在

 12月の復帰戦後、内田はそう強い口調で話した。クールにふるまっていた20代前半とは違う姿が頼もしかった。だから、監督の指示であっても、長いつきあいのコーチの言葉であっても、素直に受け入れられないのだ。「俺はやれるんだ」「やりたいんだ」という気持ちをぶつける内田がそこにいた。

 

 そんな練習場には、フーブ・ステフェンスの大きな看板が立てられている。1953年生まれのオランダ人監督は、2011年から2012年までシャルケで指揮を執ったが、解雇という形でチームを去った。そんな男を大々的にフューチャーした看板には「20周年」の文字。20年前1996-1997シーズン、シャルケは欧州チャンピオンズカップを制している。そのときの監督がステフェンスだった。6年間の長期政権下でドイツカップにも2度優勝。その栄光は決して消えることはなく、ステフェンスもまたシャルケに欠かせないレジェンドなのだ。20周年記念グッズが販売され、5月にはレジェンドが集まる記念試合も予定されている。

お祝いムードは、開幕から連敗し、降格圏内まで落ちそうだった今季の不甲斐なさを忘れさせてくれるかもしれない。

 たとえ、成績不振で解任になったとしても、レジェンドが刻んだ歴史が消えることはない。だから、ステフェンスは今もこうして、20周年で担ぎ出されている。そして、長い間シャルケのピッチに立てない内田に対するシャルケファンの愛も変わらない。10-11シーズン、チャンピオンズリーグベスト4進出とドイツカップ優勝メンバー。ウッシー(ドイツでの内田の愛称)の復帰を皆が待っている。

<後編に続く>

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寺野 典子

てらの のりこ

1965年兵庫県生まれ。ライター・編集者。音楽誌や一般誌などで仕事をしたのち、92年からJリーグ、日本代表を取材。「Number」「サッカーダイジェスト」など多くの雑誌に寄稿する。著作「未来は僕らの手のなか」「未完成 ジュビロ磐田の戦い」「楽しむことは楽じゃない」ほか。日本を代表するサッカー選手たち(中村俊輔、内田篤人、長友佑都ら)のインタビュー集「突破論。」のほか中村俊輔選手や長友佑都選手の書籍の構成なども務める。


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