高校教育、そして中学校、小学校はこれからどう変わる?

 高校教育に対しては、知識詰め込み型の授業を脱却し、主体的・対話的な深い学びをすることによって、文科省が新たに重要視している「学力の3要素」を備えた人材を育成することが求められています。
 学力の3要素とは、文科省が今回の教育改革に合わせて定めた一種の教育目標です。具体的には、

・十分な知識・技能
・それらを基盤として答えが一つに定まらない問題に
 自ら解を見いだしていく思考力・判断力・表現力の能力
・これらの基になる主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

 と定義されています。
 これはあくまで高校教育に対する文科省からの要請ですが、高校で必要な学力のベースは当然、それ以前の中学校、小学校で作られるべきですから、教育改革の影響は実質広範囲に及びます。

 そして大学と高校をつなぐ大学入試に関しては、学力の3要素を多面的・総合的に評価するものにすることが求められています。

 ところで、これまで、大々的な教育改革を行ってはどうかという議論はしばしばされてきました。しかしそのたびに、高校サイドからは次のような声が聞こえてきました。
 「いくら高校教育を変えようとしても、大学入試が変わらなければ、変えようがない」
 今までの日本社会は間違いなく、学歴社会であり、現在に至って多少の変化は見られるものの、いまだに「いい大学を出ておくに越したことはない」という風潮はいたる所に残っているように感じます。だからこそ、大学受験の在り方は高校教育に大きな影響を与えてきました。大学入試の中身を変えずに高校教育だけを改革することは、現実的に不可能だったのです。
 それが、今回の教育改革で大学入試の中身が変わることになり、今度は逆に高校教育も変わらざるを得ない状況になったというわけです。