脳梗塞になって失った〝途方もなく大きなもの〟と新米身体障害者の〝自宅生活における課題〟【真柄弘継】連載第12回 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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脳梗塞になって失った〝途方もなく大きなもの〟と新米身体障害者の〝自宅生活における課題〟【真柄弘継】連載第12回

【連載】脳梗塞で半身不随になった出版局長の「 社会復帰までの陽気なリハビリ日記」163日間〈第12回〉


「まさかオレが!? 脳梗塞に!」ある日突然人生が一変。衝撃の事態に見舞われ仕事現場も大混乱!現役出版局長が綴った「半身不随から社会復帰するまでのリアル奮闘日記」

誰もが発症の可能性がある「脳卒中」。実際に経験したものでないと分からない〝過酷な現実と絶望〟。将来の不安を抱えながらも、立ち直るべくスタートした地獄のリハビリ生活を、持ち前の陽気さと前向きな性格でもって日々実直に書き留めた。

リハビリで復活するまでの様子だけでなく、共に過ごしたセラピストや介護士たちとの交流、社会が抱える医療制度の問題、著者自身の生い立ちや仕事への関わり方まで。 笑いあり涙ありの怒涛のリハビリ日記を連載で公開。

12回は「脳梗塞になって失った〝途方もなく大きなもの〟と新米身体障害者の〝自宅生活における課題〟」。50代働き盛りのオッサンは必読!


2025年12月6日、退院直後の快気祝いにて。出版局長・真柄氏も自宅に戻りようやくほっと息をついたという。

 

第12回

脳梗塞になって失った〝途方もなく大きなもの〟と新米身体障害者の〝自宅生活における課題〟

 

◆家屋調査で分かった生活上の課題とは

 

■9月28日日曜日

本日の休息日は約4ヶ月ぶりに自宅へ行く。

家屋調査というもので、実際に暮らしている家での生活上の課題をチェックするのだ。

本当は退院の直前に家屋調査を行う。

だけど今週の土曜日に次男の結婚式があり、一時外泊するので家屋調査をすることになった。

休息日の楽しみの競馬はスプリンターズステークスのみ楽しむのだ。

 

タイムトライアル。

3分28秒。

 

さて、私のリハビリは普通に歩けるようにするためだったり、手が動かせるようにするためだったりと、運動をメインとしている。

けれど他の患者さんのリハビリはそれこそ千差万別だ。

 

高齢者で認知機能が低くなっているH田さんは、まず朝の着替えをリハビリ。

食事もリハビリ。

食後の歯磨きもリハビリ。

セラピストさんと想い出話をするのもリハビリ。

生活全般の動作をリハビリしている。

 

高齢者でも認知は年齢並の人であるY野さん。

胆嚢手術後1ヶ月を急性期の病院で寝たきりで過ごしたとのこと。

それで歩けなくなり、最初は車椅子、次に歩行器、今は杖を持ってリハビリをしている。

ずっと歩く練習をリハビリしていた。

 

脳卒中のS藤さんは高次脳機能障害で、言語・聴覚療法士さんと会話から始まり、短い文章を読んだり書いたり。

片足を欠損したK宮山さんは、残った足を鍛えながら義足で歩けるようになるためのリハビリ。

介護士さんたちの手助けで移動も入浴も排泄も介護されながら病院で過ごしている。

高齢女性のK野さんは足のリハビリで入院。

このところは順調そうで、蒲団の上げ下ろし、掃除機の操作、炊事場の諸々、洗濯のリハビリと生活全般、多種多様だ。

呼吸器をつけている患者さんや尿道カテーテルをつけている患者さん、病室から出られず食事もリハビリも部屋の中という脳卒中の患者さん等々。

他にもたくさんの患者さんたちがリハビリテーション病院でリハビリに取り組んでいるのだ。

 

家屋調査。

まず畳の部屋で床へお尻をつけて座る。

そこから立ち上がることの難しさが判明。

廊下を壁を伝って歩くことは大丈夫だ。

玄関での靴の脱ぎ履き、車への乗車に降車、自慢の本棚部屋での本の出し入れ等々。

自宅での課題をチェック。

 

真柄氏の自室の本棚

 

健康ならなんでもない動作が難しく、退院するまでに足を鍛えるしかないと実感した。

課題が分かったことで、明日からリハビリで何をすれば良いのか?

その場でセラピストさんたちから具体的な練習についてアドバイスをもらう。

健常者のような動作が出来るように頑張っていこうと、決意を新たにしたのである。

時間にしておよそ40分ほど自宅に滞在。

車での移動含めて1時間半程なのに、リハビリで公道を歩くことよりも疲労は激しかった。

休息日なのに疲労困憊になってしまった。

 

追い打ちのように、スプリンターズステークスは、武豊のジューンブレアの単勝一点買いだったから頭差の2着に意気消沈。

夕食まで1時間30分ほどあるけど、気分は早く就寝したくてたまらない日曜日だ。

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真柄弘継

まがら ひろつぐ

現役出版局長

1966年丙午(ひのえうま)126日生まれ。

1988年(昭和63)に昭和最後の新卒として出版社に勤める。

以来、5つの出版社で販売、販売促進、編集、製作、広告の職務に従事して現在に至る。

出版一筋37年。業界の集まりでは様々な問題提起を行っている。

中でも書店問題では、町の本屋さんを守るため雑誌やネットなどのメディアで、いかにして紙の本の読者を増やすのか発信している。

 

2025年68日に脳梗塞を発症して半身不随の寝たきりとなる。

急性期病院16日間、回復期病院147日間、過酷なリハビリと自主トレーニング(103キロの体重が73キロに減量)で歩けるまで回復する。

入院期間の163日間はセラピスト、介護士、看護師、入院患者たちとの交流を日記に書き留めてきた。

自分自身が身体障害者となったことで、年間196万人の脳卒中患者たちや、その家族に向けてリハビリテーション病院の存在意義とリハビリの重要性を日記に書き記す。

また「転ばぬ先の杖」として、健康に過ごしている人たちへも、予防の大切さといざ脳卒中を発症した際の対処法を、リアルなリハビリの現場から当事者として警鐘を鳴らしている。

 

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