【安倍首相暗殺犯裁判】山上徹也の殺害動機はそんなに単純なものだったのか【仲正昌樹】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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【安倍首相暗殺犯裁判】山上徹也の殺害動機はそんなに単純なものだったのか【仲正昌樹】

【安倍元首相銃撃初公判】報道陣の取材に応じる、山上徹也被告の弁護団(2025年10月28日)

 

 エイト氏は、安倍さんが教団の関連団体のイベントにビデオ・メッセージを送ったことがトリガーになったと言っているが、自分が嫌いな団体と親しくしているだけで、殺したくなるというのは不自然ではないか。

 山上が実際そう思ったのかもしれないが、それをごく普通のことのように語るのはおかしい。憎い相手と親しくしている有力者を殺したくなるのが普通なら、世の中の著名人ほぼ全てが殺されて当然ということになるだろう。

 山上は、『やや日刊カルト新聞』のエイト氏の記事を見て、教団と安倍さんは深い関係にあるのではないか、と考えるようになった、と述べている。だとすると、むしろ教団と安倍さんの関係を誇張して、山上の意識を安倍さんに向けさせたエイト氏の責任が問われるべきではないか――エイト氏自身、安倍さんと教団がさほど強い関係ではなかったと認めるかのような発言もしている。

 なお、山上の妹の発言をきっかけに、UPFの傘下団体の一つ『世界思想』の表紙に安倍さんが“登場”していることが、ズブズブの関係の根拠として、瞬間的に取りざたされているが、あれは、このBEST T!MESで使われている写真同様、通信社から提供された報道写真である。安倍さんが首相だったから、特集の表紙に配信の写真を使ったというだけの話だ。赤旗に高市首相の写真が載ったら、高市さんは実は共産党員かと騒ぐようなもので、あまりにバカげてる。

 ⑤は、裁判の常識に関する問題だ。被告人や弁護側の証人は、弁護士と念入りに打ち合わせて、被告人に有利になるように発言する。打ち合わせなしに呼ぶことなどありえない。特に情状証人として呼ばれた身内が、被告人に有利な証言をするのは当然だ。なのに、報道ではまるで、統一教会に特に厳しい山上の妹の発言が核心をついているかのように描写され、それを真に受けた人が多い。法廷ドラマくらいちゃんと見ろ、と言いたい。

次のページ二十数年前の山上の事情を、犯行の動機と結び付けるには無理があるのではないか

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高市早苗著『アメリカ大統領の権力のすべて』

 

★初の女性新首相・高市早苗「政治家の原点」がここにある★

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民主主義国家の政治をいかに動かし統治すべきか?

◎トランプ大統領と渡り合う対米外交術の極意とは?

★政治家・高市早苗が政治家を志した原点がここにある!

 

「日本は、国論分裂のままにいたずらに時間を食い、国家意志の決定と表明のタイミングの悪さや宣伝下手が災いし、結果的には世界トップ級の経済的貢献をし、汗も流したにもかかわらず、名誉を失うこととなった。

 納税者としては政治の要領の悪さがもどかしく悔しいかぎりである。

 私は「国力」というものの要件は経済力」、「軍事力」、そして「政治力」だと考えるが、これらの全てを備えた国家は、現在どこにも存在しない。

 (中略)

 そして日本では、疑いもなく政治力」がこれからのテーマである。

 「日本の政治に足りないものはなんだろう?」情報収集力? 国会の合議能力? 内閣の利害調整能力?  首相のメディア・アピール能力?  国民の権利を保証するマトモな選挙?  国民の参政意識やそれを育む教育制度?

 課題は随分ありそうだが、改革の糸口を探る上で、アメリカの政治システムはかなり参考になりそうだ。アメリカの政治にも問題は山とあるが、こと民主主義のプロセスについては、我々が謙虚に学ぶべき点が多いと思っている。

 (中略)

 本書では、行政府であるホワイトハウスにスポットを当てて同じテーマを追及した。「世界一強い男」が作られていく課程である大統領選挙の様子を描写することによって、大統領になりたい男や大統領になれた男たちの人間としての顔やフッーの国民が寄ってたかって国家の頂点に押し上げていく様をお伝えできるものになったと思う。 I hope you enjoy my book.」

(「はじめに」より抜粋)

 

◉大前研一氏、推薦!!

 「アメリカの大統領は単に米国の最高権力者であるばかりか、世界を支配する帝王となった。本書は、連邦議会立法調査官としてアメリカ政治の現場に接してきた高市さんが、その実態をわかりやすく解説している。」

 

ALL ABOUT THE U.S. PRESIDENTIAL POWER

How much do you know about the worlds’s most powerful person―the President of the United States of America? This is the way how he wins the Presidential election, and how he rules the White House, his mother country, and the World.

<著者略歴>

高市早苗(たかいち・さなえ)

1961年生まれ、奈良県出身。神戸大学経営学部卒業後、財団法人松下政経塾政治コース5年を修了。87年〜89年の間、パット•シュローダー連邦下院議員のもとで連邦議会立法調査官として働く。帰国後、亜細亜大学・日本経済短期大学専任教員に就任。テレビキャスター、政治評論家としても活躍。93年、第40回衆議院議員総選挙奈良県全県区から無所属で出馬し、初当選。96年に自由民主党に入党。2006年第1次安倍内閣で初入閣を果たす。12年、自由民主党政務調査会長女性として初めて就任。その後、自民党政権下で総務大臣、経済安全保障大臣を経験。2025年10月4日、自民党総裁選立候補3度目にして第29代自由民主党総裁になる。本書は1992年刊行『アメリカ大統領の権力のすべて』を新装重版したものである。

 

 

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仲正 昌樹

なかまさ まさき

1963年、広島県生まれ。東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。現在、金沢大学法学類教授。専門は、法哲学、政治思想史、ドイツ文学。古典を最も分かりやすく読み解くことで定評がある。また、近年は『Pure Nation』(あごうさとし構成・演出)でドラマトゥルクを担当し、自ら役者を演じるなど、現代思想の芸術への応用の試みにも関わっている。最近の主な著書に、『現代哲学の最前線』『悪と全体主義——ハンナ・アーレントから考える』(NHK出版新書)、『ヘーゲルを超えるヘーゲル』『ハイデガー哲学入門——『存在と時間』を読む』(講談社現代新書)、『現代思想の名著30』(ちくま新書)、『マルクス入門講義』『ドゥルーズ+ガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』『ハンナ・アーレント「人間の条件」入門講義』(作品社)、『思想家ドラッカーを読む——リベラルと保守のあいだで』(NTT出版)ほか多数。

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